LINEの配信が途中で止まる・届かないとき|通数の上限と、プランを上げても再送されない話

LINEの配信が途中で止まる・届かないとき|通数の上限と、プランを上げても再送されない話
ある多店舗のお客様から「配信済みの件数が途中から増えない」とご連絡をいただいたことがあります。会員証システムのセグメント配信で、配信済みが199件で止まったままでした。対象は数百人。半分も届いていません。原因は設定でも不具合でもなく、その月に送れる通数を使い切っていたことでした。止まった位置の数字が、そのまま原因を指していたわけです。
ただし、これはどこから配信したかによって症状が変わります。同じ「通数を使い切った」状態でも、LINE公式アカウントの管理画面から送った場合は、途中まで届くのではなく配信そのものがエラーになることがあります。ここを混同すると原因にたどり着けないので、この記事では経路の違いを分けて書きます。
症状で、原因はだいたい絞れる
会員証システムなど、管理画面の外から配信している場合の症状です。キリのよい数字の手前で止まっていたら、まず当月の残り通数を疑います。下の1と2。
LINE公式アカウントの管理画面から送ると、残り通数を超える配信は途中まで届くのではなく、丸ごとエラーになることがあります。下の1と2。
仕様上、ブロックされていても送信そのものは成功として返ります。画面の表示だけでは分かりません。下の3。
絞り込みの条件か、友だちを外している方が混ざっているかのどちらかです。下の4。
配信を動かす仕組みが止まっているか、送信を止める時間帯に当たっています。下の5。
1. 途中で止まった ─ 当月の通数を使い切っている
LINE公式アカウントには、月に送れる無料メッセージの通数が決まっています。プランは三つで、通数と、超えたときの扱いが違います。2026年8月時点の公式の内容を並べます。
アカウントを開設した直後はこのプランです。追加メッセージは配信できません。200通を超えた分は、その月は送れません。
こちらも追加メッセージは配信できません。上限が25倍になるだけで、使い切ればやはりそこで止まります。
三つのうち、超過分を追加メッセージとして配信できるのはこのプランだけです。単価は配信数に応じて1通あたり3円以下。
見落とされがちなのは、真ん中のライトプランです。「上限で止まったからプランを上げた」という対応をとったあとも、5,000通で同じことが起きます。上限を超えて配信を続けられるのはスタンダードプランだけ、というのが今の仕組みです。
通数の数え方も押さえておきます。1回の配信で送れるのは3吹き出しまでで、それが1通。そのうえで「送った回数 × 送った友だちの数」が通数になります。300人に1回送れば300通です。吹き出しを4つに分けると2通ぶんとして数えられるので、同じ内容でも通数が倍になります。
一方、数えられないものもあります。LINEチャットでの1対1のやり取り、あいさつメッセージ、自動の応答メッセージは通数を消費しません。会員証の登録直後に出るメッセージやキーワードへの自動返信でうっかり枠を減らしている、という心配は要らない、ということです。減らしているのは、あくまで一斉配信・絞り込み配信と、システムから個別に送る通知のほうです。
冒頭の例で止まった数字は199でした。無料の200通に対して、ほぼぴたりです。止まった位置がプランの通数と一致していたら、それでほぼ確定と考えて構いません。ただし、この「途中まで届く」という現れ方をするのは管理画面の外から配信している場合です。次でその違いを説明します。
2. 上限に当たったとき、どこから送ったかで症状が変わる
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。同じ「通数を使い切った」状態でも、どこから配信したかで現れ方がまったく違います。
配信の作成画面に「一部のターゲットへの配信を許可」という項目があります。チェックを入れていなければ、対象人数が残り通数を超えた時点で配信はエラーになり、1通も届きません。チェックを入れると残り通数のぶんだけ届きますが、届く相手は対象の中からランダムに選ばれます。
1件ずつ、あるいはまとまった単位で順に送っていくので、上限に達するまでは届き、そこから先が失敗として記録されます。冒頭の「199件で止まった」はこちらです。誰に届いて誰に届かなかったかが記録に残ります。
ですから、無料の200通のまま管理画面から1,000人に配信しようとした場合、既定の設定では1通も届きません。「途中まで届いて止まる」と思っていると、配信できていないことに気づくのが遅れます。逆に、途中まで届いている状態を見て「管理画面から送ったのに」と混乱される場合は、会員証システムなど別の経路から出ている配信ではないかを確かめてください。
もう一点、混同されやすいところがあります。この二つは同じ通数の枠を使います。管理画面に出る「今月のメッセージ利用状況」には、外部から送った分も含まれています。管理画面からしか配信していないつもりでも、予約のリマインドのような個別の通知を別のシステムから送っていれば、その分だけ枠は減っています。
3. プランを上げても、止まった分は自動では送られない
プランを上げれば、止まったところから続きが流れる、と思われがちですが、そうはなりません。上限に当たった時点で処理は終わっていて、プラン変更は「これから送るぶん」にしか効きません。ここでも、対処は経路で変わります。
管理画面から送ってエラーになった場合は、話は簡単です。1通も届いていないので、通数を確保したうえで同じ内容をもう一度配信すれば済みます。二重に届く心配もありません。厄介なのは、外部から送って途中まで届いてしまった場合のほうです。
ですから、上げたあとに届かなかった人だけをもう一度送信の対象に戻す作業が要ります。ここで大事なのは、すでに届いた人には二度と送らないことです。同じ案内が2回届くと、内容が良くても信用が落ちます。当社のシステムでは、配信ごとに宛先を「未送信・送信済み・失敗」の三つの状態で持っているので、失敗の人だけを未送信に戻せば、送信済みに触れずに再送できます。
もうひとつ、戻してはいけない相手がいます。ブロックが理由で失敗している人です。何度送っても届かないので、再送の対象からは外します。失敗の理由を分けて記録しておくのは、このためです。
4. 「送信は成功」なのに届いていない ─ ブロック
相談の中でいちばん説明が要るのがここです。LINEのメッセージ送信は、相手がブロックしていても送信そのものは成功として返ります。つまり、配信ツールの画面には「送信済み」と出ます。エラーになりません。届いていないのに、記録の上では届いたことになっている状態です。
この人がブロックしているかどうかを確実に知る方法は、実質ひとつしかありません。プロフィールを取得する別の窓口に問い合わせて、返ってこなければブロック、と判定するやり方です。当社のシステムでも、送信に失敗した人を1人ずつ送り直すときにこの確認を挟み、ブロックと分かった方は名簿の状態を変えて、以降の配信対象から外しています。
ブロックはこちらから解除できません。解除できるのはお客様だけです。ですから運用としては、外すべき相手を名簿に残し続けないことに尽きます。全体で何人にブロックされているかは、LINE公式アカウントマネージャーの友だち数の推移で確認できます。会員証システム側の画面ではなく、そちらで見るのが正確です。
5. 一部の人にだけ届かない ─ 対象と友だち状態
「会員は500人いるのに、配信対象が120人しか出てこない」というご相談もよくあります。原因はたいてい二つです。
一つは、絞り込みの条件です。タグで対象を絞る場合、そのタグが付いている人にしか届きません。タグを付ける作業が追いついていないと、名簿の人数と配信の人数が合わなくなります。もう一つは、会員登録はしているけれど友だちを外している方が混ざっている場合です。会員証そのものは会員番号で機能し続けるので、店頭では気づけません。配信のときに初めて分かります。
どちらも、配信前に対象の人数を確認しておけば事前に気づけます。名簿の人数ではなく、その配信で実際に何人が対象になるかを見てください。
6. 予約した時刻になっても、1通も出ない
1通も出ていない場合、まず確かめるのは通数です。管理画面から予約していたのであれば、配信の時点で残り通数が足りず、エラーになっている可能性があります。配信のリストに「配信エラー」として残っていないかを見てください。
通数に問題がなければ、配信を動かす側を見ます。予約配信は、時刻が来たら自動で処理を回す仕組みで動いています。その処理が止まっていれば、当然1通も出ません。会員証システムのように外部から送っている場合、サーバー側の設定が外れていた、というのが実際にはいちばん多い原因です。
止まっていない場合は、送信を止める時間帯の設定を確認します。夜遅くに通知が鳴らないよう、一定の時刻以降は送らない設定にしていることがあります。その時間帯に予約していれば、送信は翌日へ回ります。深夜の予約配信が朝になって届く、という現象はこれです。
7. 送る前に見る、三つの数字
ここまでの原因のうち、通数の枯渇は事前に100パーセント防げます。配信の直前に、次の三つを突き合わせるだけです。
当月の残り通数
LINE公式アカウントマネージャーの利用状況で見ます。配信ツールの側がこの数字を自動で見ているとは限らないので、送る前にご自身で確認してください。
その配信の対象人数
名簿の会員数ではなく、絞り込んだ結果の人数です。全員に送るのか、タグで絞るのかで大きく変わります。
吹き出しの数
3つまでが1通です。画像・テキスト・ボタンを分けて4つにすると、同じ内容で通数が倍になります。
当月の残り通数 ≧ 対象人数 × 通数(吹き出し3つまでで1通)
例:残り 200 通 / 対象 350 人 / 1通 → 送れない
例:残り 5,000 通 / 対象 350 人 / 2通 → 700通で 足りる
※プランと通数は2026年8月時点の公表内容です。最新の条件はLINEヤフー社の案内をご確認ください。
導入前でしたら、会員数と配信の頻度から必要な通数を出しておくと、プランの見当がつきます。よくある規模で並べます。
無料の200通では1回も全員に送れません。個人店でも、全員配信をするなら最初からライト以上が前提になります。
ライトの5,000通に収まります。ただし予約のリマインドなど個別の通知を併用していると、その分が上に乗ります。
ライトの上限を超えます。ここから先は、全員に送るか絞り込むかで費用が変わってきます。
スタンダードの30,000通に収まります。この規模になると、全員配信を続けるより対象を絞ったほうが、費用も反応も良くなります。
8. そもそも通数を減らす
プランを上げるのは選択肢のひとつですが、その前にできることがあります。通数は「回数 × 人数」で決まるので、減らせる場所も二つしかありません。
人数を減らすというのは、全員に送るのをやめるという意味です。来店から間が空いている方だけ、特定の店舗の方だけ、といった絞り込みができれば、同じ予算でも配信の回数を増やせます。全員配信は通数をいちばん食う打ち方で、しかも関係のない案内が届いた人からブロックされやすい。通数とブロックの両方を悪くします。
回数のほうは、吹き出しの整理が効きます。画像を1つ、説明を1つ、ボタンを1つ。この3つに収まれば1通です。伝えたいことを増やすほど通数が増えて、しかも読まれる量は減っていきます。
あわせて、予約のリマインドのように1対1で届く通知を運用している場合は、その通数も月の合計に乗ってきます。予約1件につき1〜2通なので、予約件数がそのまま通数です。一斉配信の枠だけで見積もると、月末に足りなくなります。
よくあるご質問
Q通数の上限は、いつリセットされますか。
無料メッセージの通数は月単位です。翌月になれば、その月のぶんがあらためて使えるようになります。ただし前月に届かなかった人へ自動で送られるわけではないので、送り直す必要があるかどうかは別に判断してください。
Qプランを上げれば、止まった続きから流れますか。
流れません。プラン変更はこれから送るぶんにしか効きません。管理画面から送ってエラーになった場合は1通も届いていないので、通数を確保して同じ内容を配信し直せば済みます。会員証システムなど外部から送って途中まで届いていた場合は、届かなかった人だけを対象に送り直す作業が必要です。
Q無料プランのまま1,000人に配信したら、200人には届きますか。
管理画面から送る場合、既定では届きません。対象人数が残りの通数を超えると配信そのものがエラーになるためです。配信の作成画面で「一部のターゲットへの配信を許可」にチェックを入れれば残り通数のぶんは届きますが、届く相手は対象の中からランダムに選ばれます。狙った相手に届くわけではないので、通数を確保してから送るほうが確実です。
Qブロックされているかどうかは、管理画面で分かりますか。
送信の結果だけでは分かりません。ブロックされていても送信は成功として返る仕様のためです。全体のブロック傾向はLINE公式アカウントマネージャーの友だち数の推移で確認するのが正確です。個別の方については、配信のときに判定して名簿から外す運用にしています。
Q自動の応答メッセージも通数を使いますか。
使いません。LINEチャットでのやり取り、あいさつメッセージ、応答メッセージは通数のカウント対象外です。通数を消費するのは一斉配信・絞り込み配信と、システムから個別に送る通知のほうです。
Q会員が増えるほど、配信の費用も増えますか。
通数は人数に比例するので、その通りです。ただし増えるのは通数であって、全員に送る必要があるとは限りません。対象を絞れば、会員が増えても通数は抑えられます。会員数が数千人を超えるあたりから、絞り込みができるかどうかで運用の費用が変わります。
「配信が止まった」「届いていないと言われた」といったご相談も承っています。会員数と配信の頻度を教えていただければ、必要な通数とプランの見当をその場でお答えします。
予約のリマインドを運用されている場合の通数の考え方はLINEで予約のリマインドを自動で送る方法に、無料の範囲でどこまでできるかはLINE会員証は無料でどこまでできる?にまとめています。