会員番号の決め方|桁数・店舗コード・引き継ぎと、店を減らしたときの扱い

会員番号の決め方|桁数・店舗コード・引き継ぎと、店を減らしたときの扱い
会員証を新しくするとき、「番号は1番から始めますか」というご質問をよくいただきます。答えはたいてい「そうしないほうがいい」です。理由は、番号の設計は運用が始まると変えにくくなるからです。ここで言う設計とは、桁数をどう配分するか、店舗コードを入れるかといった全体の決めごとです。個々のお客様の番号は後からでも振り直せますが、設計そのものは、お客様の手元にカードが渡ったあとでは動かせません。この記事では、最初に決めておくとよいことを順番に書きます。
決めるのは、五つ
桁数
バーコードの規格で全体の桁数が決まるので、その中でどう配分するかを決めます。後から増やせません。
店舗コードを入れるか
多店舗なら入れるのが基本です。ただし入れると決まってしまうことがあります。
どこから始めるか
1番から始めない理由があります。すでに配っている番号との関係で決めます。
既存の番号を引き継ぐか、振り直すか
どちらでも運用できます。違いだけ押さえておけば、迷うところではありません。
チェック用の桁を付けるか
人が手で番号を打つ場面があるかどうかで決まります。
1. 桁数 ─ 規格が先に決まっている
会員証のバーコードには規格があり、規格ごとに桁数が決まっています。よく使うJAN(EAN-13)なら13桁です。この13桁をどう使うかが番号設計です。実際の配分の一例を挙げます。
どの店の会員かを表します。店舗が3桁で足りるかは、将来の出店も含めて考えます。
規格で全体の桁数が決まっているため、余った桁を0で埋めます。無駄に見えますが、後から意味を持たせられる余白でもあります。
実際に増えていくのはここだけです。5桁なら99,999人分。足りるかどうかは§1の後半で。
前の12桁から計算で出る桁です。読み間違いや打ち間違いを検出します。
連番が何桁あれば足りるかを見積もるとき、いちばん多い誤りは「いま来ているお客様の数」で考えることです。番号を消費するのは、来店しているお客様ではなく発行した枚数です。退会された方、カードをなくして作り直した方、一度きりで来なくなった方も、すべて番号を1つずつ使っています。あるお店では、いま実際に通われているのは数千人でしたが、発行の累計は4万枚を超えていました。10倍近い開きです。
桁を後から増やすことはできません。増やせば桁数が変わり、すでに配ったカードとバーコードの形が変わってしまいます。迷ったら、余っている桁を連番に回して多めに取っておくほうが安全です。
2. 店舗コードを入れるかどうか
複数の店舗がある場合、番号に店舗コードを入れるのが基本です。入れないと、店ごとに連番を振ったときに同じ番号の会員が複数の店に生まれ、誰なのか決まらなくなります。番号だけを渡された側は照合できません。レジの一覧を貼ってタグを一括で付けるときにも、この違いがそのまま効いてきます。
一方で、入れると決まってしまうこともあります。番号の中に店舗が書き込まれるので、その会員の所属店舗は後から変えられません。転居して別の店に通うようになった方も、番号の上では元の店の会員のままです。店舗別の集計は「その店に所属している会員の数」になり、「どの店に何回行ったか」とは別のものになります。
1店舗だけで運営していて、これから増える予定もないなら、店舗コードは入れずにその桁を連番に回すほうが素直です。逆に、将来の多店舗展開が視野にあるなら、たとえ今1店舗でも枠だけは取っておくと後が楽になります。
3. 1番から始めない理由
「00001」から始めたくなりますが、実務では途中の数字から始めることがよくあります。理由は二つあります。
一つは、すでに配っている番号とぶつからないようにするためです。紙のカードで会員番号を配ってきたお店なら、その番号が現に世の中にあります。新しい会員証で同じ帯の番号を発行すると、いつか必ず衝突します。既存の帯を避けて、空いている帯から始めます。
もう一つは、小さい番号がテストや初期設定で使われがちなことです。構築中の動作確認で1番から数件を使い、そのまま本番に持ち込んでしまう。開始番号を少し離しておくと、この手の混入が起きても見分けがつきます。
実際にあった決め方です。既存のカードの連番が4万番台まで進んでいたお店で、新規の会員は店舗コードを1つ隣にずらして、その帯の00001から発行することにしました。既存のお客様は今の番号のまま、新しいお客様は別の帯。番号を突き合わせる必要がなくなり、最終番号を調べる作業そのものが要らなくなりました。
4. 既存の番号は、引き継いでも振り直してもいい
ここは、どちらかが正解という話ではありません。すでに会員番号をお使いのお店なら、その番号をそのまま引き継ぐこともできますし、新しく振り直すこともできます。実際の運用では、どちらを選んでも問題なく回ります。判断の材料になる違いだけ書いておきます。
引き継ぐ場合は、いま配っている番号がそのまま使えます。お客様が番号を覚えている、印刷したカードがまだ手元にたくさんある、番号で呼び合う習慣がある。こうしたお店では、引き継ぐほうが現場の混乱がありません。レジ側も何も変えなくて済みます。番号を引き継ぐ手順は紙のポイントカードからLINE会員証へ移行する方法にまとめています。
振り直しても困らないのは、多くのレジに「お客様を呼び出して、会員番号を新しいものに変更する」機能があるからです。カードを紛失された方に再発行するときと同じ操作で、これを行うとレジ側の番号も新しい番号に置き換わります。ですから、レジの記録と会員証の番号が食い違ったままになる、ということは起こりません。切り替えは来店されたときに1人ずつ行えばよく、一斉に作業する必要もありません。
振り直すほうには、ひとつ利点があります。番号を見ただけで、LINEの会員かどうかが分かるようになることです。たとえば先頭の桁を種別で分けておけば、レジで読み取った瞬間に、その方がすでに切り替え済みかどうかが判別できます。まだの方にだけご案内すればよくなるので、店頭で全員に同じ声かけを繰り返す必要がなくなります。
もうひとつ、別のシステムが自動で番号を振っていて、その番号を動かせない場合もあります。予約や顧客管理のシステムでは珍しくありません。このときは会員証側の番号を新しく振り、元の番号は別の欄に持って、そこで検索できるようにしておきます。ある治療院では、電話で予約を受けたときに、元のシステムで特定した方を会員証システムで探す必要がありました。名前で探すと同姓同名がまれに混じって取り違えが怖い。そこで元の番号を入れる欄を作り、検索の対象にしました。お客様に見せる画面には出しません。現場が使うためだけの欄です。
どちらが向いているかは、お使いのレジの機能と、いまの番号がどう使われているか、店頭でどうご案内したいかで変わります。迷われたら、そのままご相談ください。実際の運用に支障が出ない形をこちらでご提案します。
5. 店を減らしたとき、その帯はどうするか
見落とされやすいのがここです。多店舗で店舗コードを使っていると、閉店した店の番号帯が残ります。この帯を新しい店に使い回したくなりますが、やめたほうがよい場面があります。
閉じた店で発行したカードは、お客様の財布の中に残っています。何年か経って別の店に来られたとき、そのカードを出されることがあります。帯を使い回していると、その番号は今の別の誰かに割り当たっています。読み取ると別人が表示される、という事故になります。
実際の判断としては、閉じた店の帯は移行の対象から外し、存続している店の帯だけをそのまま引き継ぐ形にしました。古い帯のカードを持ってこられた方は、その場で新しい番号に切り替えます。番号の帯は、増やすのは簡単でも再利用は危ない、と考えておくのが安全です。
同じ考え方は、1人ぶんの番号にも当てはまります。退会された方の番号を、次の新規会員に割り当てるかどうか。これも割り当てないのが安全です。番号を空けたままにしておくと欠番が増えていきますが、欠番はただの空きで、実害はありません。使い回すと、古いカードを持ってこられたときに別人に当たります。番号は連番であればよく、詰まっている必要はありません。
6. チェック用の桁を付けるか
最後の1桁を、前の桁から計算した検査用の数字にする方式があります。1桁使ってしまう代わりに、読み間違い・打ち間違いをその場で弾けます。
判断の基準は単純で、人が番号を手で打つ場面があるかどうかです。バーコードを機械で読むだけなら、機械が読み違えること自体がまれなので、恩恵は小さい。一方、電話で番号を聞いて入力する、カードが読めないときに手入力する、といった運用があるなら付ける価値があります。桁が1つ減ってでも、別人に紐づく事故を防げるほうが大きいためです。
なお、規格によってはチェック桁が仕様として組み込まれているものと、任意のものがあります。どの規格を選ぶかとセットで決まるので、バーコード規格の選び方もあわせてご覧ください。
7. 番号そのものを、見せるかどうか
もう一つ、設計として決めておくことがあります。会員証の画面に、バーコードだけを出すか、数字も一緒に出すかです。
機械で読むだけなら、バーコードだけで足ります。ただ実務では、数字が見えていたほうが助かる場面がいくつもあります。バーコードが読めないときに手で打つ、電話で番号を伝えてもらう、スタッフが画面を見て台帳と照合する。どれも数字が出ていなければできません。
この考え方を進めると、レジやスキャナがない業態でも会員証は成立します。数字を画面に出し、それをスタッフが読み取り用の画面に入力する、あるいはスマートフォンのカメラで読む。バーコードを機械で読む前提でなくても、会員を特定するという目的は果たせます。番号の設計は、読み取りの方法とセットで考えると迷いが減ります。
桁 数 規格で全体が決まる / 連番は 発行累計 で見積もる
店舗 多店舗は入れる / 所属店舗は 後から変えられない
開始番号 既存の帯を 避けて 別の帯の先頭から
引き継ぎ 引き継ぐ/振り直す どちらでも可 / 迷ったらご相談を
閉店の帯 再利用しない / 古いカードはその場で切り替え
よくあるご質問
Qあとから桁数を増やすことはできますか。
できません。桁数を変えるとバーコードそのものが別のものになり、すでに配ったカードや会員証が読めなくなります。迷ったら、使わない桁を連番に回して多めに取っておくほうが安全です。
Q連番は何桁あれば足りますか。
いま通われているお客様の数ではなく、これまでに発行した累計で考えてください。退会された方も、作り直した方も番号を1つ消費しています。実際に、通っている方が数千人でも発行累計が4万枚を超えている例があります。
Q会員の所属店舗を、あとから変えられますか。
番号に店舗コードを埋め込んでいる場合は変えられません。番号そのものが変わってしまうためです。転居などで通う店が変わる方が多い業態では、店舗コードを入れるかどうかを最初によく検討してください。
Qいまの会員番号は、引き継いだほうがいいですか。
どちらでも運用できます。番号で呼び合う習慣があるお店や、印刷したカードがまだ多く残っているお店は引き継ぐほうが自然です。一方、番号を振り直すと、レジで読み取った瞬間にLINEの会員かどうかが分かるようにできます。レジ側の番号も切り替え時に一緒に変更できるので、記録が食い違うことはありません。どちらが向いているかはご相談ください。
Qいまのシステムが自動で番号を振っていて、変更できません。
その番号はそのままで構いません。会員証の番号を新しく振り、元の番号は別の欄に持って検索できるようにしておけば、電話での問い合わせにも番号ひとつで対応できます。お客様に見せる画面に出す必要はありません。
Q閉店した店の番号は、新しい店で使い回せますか。
おすすめしません。閉じた店で発行したカードはお客様の手元に残っていて、何年か経って持ってこられることがあります。帯を使い回していると別人に読み取られます。新しい帯を使い、古いカードはその場で切り替えるのが安全です。
「いまの番号をそのまま使えるか」「桁数はいくつ取っておけばよいか」といったご相談を承っています。お使いのレジ・顧客管理システムと、いま発行している番号の例を教えていただければ、そのまま引き継げるかをその場でお答えします。
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