カラオケ店の会員カードをLINEに切り替える|年齢確認と入店管理は変えずに、カードの発注をやめる

カラオケ店の会員カードをLINEに切り替える|年齢確認と入店管理は変えずに
カラオケ店の会員証は、他の業種の会員証と役割が少し違います。ポイントを貯めるためというより、入店のときにどなたかを確認し、来店を把握するためのものとして運用されていることが多い。実際、ポイント制度を設けていない店もあります。
ただ、それは販促に使えないという意味ではありません。むしろ、受付を通った方がそのまま登録されていくので、名簿としてはよく整っています。足りていなかったのは、その名簿に届ける手段のほうでした。この記事では、カードをやめてLINEに移すと何が変わるのか、そして入店の管理はこれまでどおり残したまま、その名簿を販促にも使えるようにするまでを書きます。
1. 会員制の主な役割は、入店の管理
飲食店や物販の会員証なら、ポイントやスタンプが付いていて、貯まると特典がある、という形が普通です。会員になる動機がお客様の側にあります。
カラオケ店では、少し事情が違います。会員登録をお願いする主な理由は、どなたが利用されているかを把握するためです。18歳未満の方の深夜の入店については自治体の条例で定めがあり、店として確認する必要があります。トラブルがあったときに誰が使っていたかを追えるようにしておく意味もあります。ポイント制度を設けていない店があるのも、このあたりが理由です。
この違いは、会員証に求めるものを変えます。券面にスタンプを押す欄は要りません。デザインで惹きつける必要もありません。求められているのは、来店された方が以前登録した方と同じかどうかを、受付で素早く照合できることです。ある店では、レジにお客様の情報がすでに登録されていて、番号さえ突き合わせられれば運用は回る状態でした。
一方で、この形は名簿としてよくできています。販促のために友だちを集めたリストは、来店される方の一部しか入りません。入店の管理として登録していただく形なら、受付を通った方がそのまま入ります。つまり、実際に来ている方の名簿が自然に出来上がっているということです。あとは、そこに届ける手段があるかどうかだけでした。
同じ理由で会員制をとっている業態は、ほかにもあります。ダーツやビリヤードのある店、ネットカフェや複合カフェ、深夜まで営業するアミューズメント施設。いずれも、入店の管理として会員登録をお願いしています。この記事の考え方は、そのままそうした業態にも当てはまります。
2. 求めるものが照合なら、カードは替えやすい
逆説的ですが、会員証に求めるものが少ないほど、置き換えは簡単になります。番号が読めればよいのなら、その番号をスマートフォンの画面に出すだけで役目は果たせます。
お客様がスマートフォンの画面を出し、これまでどおり番号を読み取ります。読み取り機で読むことも、画面の数字を見て入力することもできます。
ロット単位の発注と、店名や電話番号が変わったときの刷り直しがなくなります。在庫を置く場所も要りません。
用紙への記入、カードの切り出し、手渡し。この一連が、お客様ご自身のスマートフォン操作に置き換わります。
カードを持ち歩く必要がなくなります。スマートフォンは忘れられにくいので、再発行の対応そのものが減ります。
3. 発行枚数と、いま来ている会員数は桁が違う
切り替えの計画を立てるときに、確認しておきたい数字があります。累計で何枚発行したか、そのうち今も来られているのは何人か、です。
あるお店では、発行の累計が4万枚を超えていました。一方、年に1回以上来られている方は3,000〜4,000人ほど。10倍の開きです。カラオケは一度きりの利用や、旅行や出張のついでの利用が多い業態なので、この差は自然に生まれます。カードは累計で消費されるので、5,000枚のロットが2年で尽きるのもこの構造によるものです。
大事なのは、切り替えの計画を累計ではなく有効会員の数で立てることです。4万人を移行する話にすると途方もない作業に見えますが、実際に移す必要があるのは、これから来店される方だけです。来られたときに1人ずつ切り替えていけば、数か月でほとんどが入れ替わります。
4. 年齢確認と入店管理は、そのまま残す
ここは誤解が生まれやすいので、はっきり書いておきます。会員証をデジタルにしても、年齢の確認そのものが自動化されるわけではありません。
会員証は「以前登録した方と同じ方かどうか」を照合する道具であって、年齢を証明する書類ではありません。初回の登録で身分証を確認する手順は、これまでどおり店頭で行います。深夜の時間帯に年齢を確認する運用も変わりません。変わるのは、2回目以降の来店で番号を突き合わせる部分が、カードから画面になるところだけです。
ここを「デジタル化すれば確認が要らなくなる」と受け取られると、後で困ります。導入のご説明でも、確認の責任は店頭に残ることを先にお伝えしています。会員証が変わっても、店として果たすべきことは変わりません。
5. いまのカードから、どう移すか
実際の移行は、来店されたお客様に1人ずつご案内していく形になります。順序としてはこうです。
いまのカードを読み取る
お持ちのカードをスマートフォンのカメラで読み取るか、番号を手で入力していただきます。番号はそのまま引き継がれます。
生年月日で本人確認
登録済みの生年月日と照合します。他人のカードの番号を入力しても通らないようにするためです。
その場で会員証が出る
以降はスマートフォンに会員証が表示されます。レジ側の記録とは同じ番号でつながったままです。
カードを忘れた方、なくした方は、その場で新しく登録していただくのが早いです。番号は新しくなりますが、実務上の不都合はほとんどありません。スマートフォンをお使いでない方には、これまでどおり紙のカードを続けます。全員を移す前提にしないことが、現場を止めないコツです。
もう一つ、多店舗で運営されている場合に確認しておくことがあります。閉店した店舗で発行したカードの扱いです。番号に店舗コードが入っていると、閉じた店の番号帯が残ります。その帯を移行の対象に含めるかどうかは、先に決めておいてください。詳しくは会員番号の決め方にまとめています。
6. 会員証がLINEになると、何ができるようになるか
ここからは、置き換えたあとの話です。入店の管理として積み上がってきた名簿が、LINEに移すとそのまま届け先になります。カラオケは時間帯によって空きの出方がはっきり分かれる業態です。平日の昼、雨の日、連休の谷間。空いていると分かっているのに、これまでは知らせる手段がありませんでした。会員証がLINEになると、その日のうちに案内を出せます。
会員登録が友だち追加とセットになるので、会員の数と友だちの数がほぼ一致するのも、この業態では効きます。販促用に友だちを集めていくやり方だと、来店客の一部しか登録してくれません。会員証として運用すると、受付を通る方がそのまま登録者になります。
ただし、友だち追加のQRコードをどこに置くかは考えたほうがよい論点です。あるお店では、ホームページには友だち追加のボタンを置かず、店頭でだけご案内する方針を採りました。誰でもオンラインで登録できると、店頭で発行した会員の数と、実際の友だちの数が合わなくなるためです。会員証としての正確さを優先するなら、この判断は理にかなっています。友だちを増やすこと自体が目的ではない、という点でも一貫しています。
7. メニュー画面に何を置くか
LINEの下部に出るメニューには、いくつかのボタンを置けます。カラオケ店で入れておくと効くものを挙げます。
まず会員証。これは常に置きます。次に料金表です。カラオケの料金は、時間帯・曜日・室料とドリンク代の組み合わせで決まるため、外から見て分かりにくいところがあります。来店前に確認したい人が多い情報なので、1タップで開ける場所に置く価値があります。フリータイムなど独自の制度がある場合は、その説明も別に用意しておくと問い合わせが減ります。フードのメニューも同様です。
要は、電話で聞かれることをそのままボタンにする、という考え方です。受付に立っている方に「何をよく聞かれますか」と伺うと、置くべきものはたいてい決まります。
8. レジで読めるかどうかは、先に試す
技術的な確認をひとつだけ。いま使っている読み取り機が、スマートフォンの画面に表示されたバーコードを読めるかどうかです。紙に印刷されたカードは読めても、画面は読めない機種があります。表面の光り方が違うためです。
もう一点、番号の帯を変える場合は注意が要ります。既存のカードとは別の番号帯から新しく発番するとき、その帯をレジ側が受け付けるかどうかは、実際に試すまで分かりません。「たぶん大丈夫だと思う」というお答えをいただくことは多いのですが、設定で桁数や先頭の数字を制限している機種もあります。稼働の初日に1枚だけ試して確かめるのが確実です。
読めない場合も打つ手はあります。画面に番号を数字でも表示しておけば、受付で手入力できます。スマートフォンのカメラで読み取る方法もあります。読み取り機に合わせて会員証の側を調整することもできるので、いまの機器が対応していないという理由だけで諦める必要はありません。
会員制の役割 主に 入店の管理 / 名簿は販促にも使える
求めるもの 券面ではなく 番号の照合 ができること
年齢確認 これまでどおり 店頭の運用 として残す
移行の単位 累計ではなく 来店された方から 1人ずつ
よくあるご質問(店舗運営の側から)
Q会員証を忘れたお客様には、どう対応しますか。
デジタルの会員証はスマートフォンの中にあるので、そもそも忘れられにくくなります。それでも表示できない場合は、お名前や登録の電話番号から受付側で検索して照合できます。カードのときのように「今日は再発行」という対応をしなくて済むぶん、受付が短くなります。
Qスクリーンショットを見せられた場合はどうしますか。
画面の画像でも番号は読み取れてしまうので、他人の会員証の画像を見せられる可能性はあります。ただしこれはカードを貸し借りできるのと同じ話で、デジタルにしたから増える問題ではありません。年齢確認が必要な場面では、会員証ではなく身分証で確認する運用にしておくのが確実です。
Q年齢の確認は、会員証でできるようになりますか。
なりません。会員証は以前登録した方と同じかどうかを照合する道具です。初回登録時に身分証で確認し、深夜帯には別途確認する、という店頭の運用はこれまでどおり必要です。デジタル化で確認が省けると受け取られないよう、社内の説明でも明確にしておいてください。
Q「LINEは登録したくない」と言われたら。
紙のカードを残してください。全員を切り替える必要はありません。実際、スマートフォンをお使いでない方には紙を続けている店舗があります。新しく来られた方からデジタルにしていけば、数か月で大半は入れ替わります。
Qポイント制度がないのですが、導入する意味はありますか。
あります。ポイントがなくても、カードの発注と発行の手間はなくなります。加えて、会員登録が友だち追加を兼ねるので、これまで入店の管理として積み上げてきた名簿が、そのまま届け先になります。空いている時間帯にその日のうちに案内を出す、といった使い方ができるようになります。ポイントは必要になってから足せるので、最初から用意する必要はありません。
カラオケ・アミューズメント業態でのご相談も承っています。いまお使いのレジと会員番号の形を教えていただければ、そのまま引き継げるかをその場でお答えします。
いまのレジ・スキャナのまま会員証が読めるかは、契約前の「無料読取テスト」でもお確かめいただけます。カードとDMの費用の出し方は会員カードの印刷代とDMの郵送代にまとめています。