LINE会員証のデメリットは?できること・できないことと、向かない店の見分け方

LINE会員証のデメリットは? ─ できること・できないことと、向かない店の見分け方
商談で「これは、やめておいたほうがいいと思います」とお伝えすることが、年に何度かあります。良いことばかり並べても、導入したあとに合わなければ、お互いに不幸だからです。ただ一方で、LINE会員証について調べると「これはできない」と書かれた情報も多く、その多くは正確ではありません。実際のできる・できないは、お使いのレジやPOS、そして標準機能で足りるか追加開発が要るかで変わります。
この記事では、その線引きを一つずつ整理します。何が標準ででき、何がお使いのシステム次第で、何が本当にできないのか。そのうえで、導入をおすすめしない店と、よく聞かれる不安への答えまで。都合の悪いところを先に開けるのは、そのぶんこの仕組みに自信があるからでもあります。読み終えたときに、自分の店に向くかどうかをご自身で判断できる状態を目指します。
できる・できないは、レジと設備で決まる
レジと連携できるかどうかは、大きく2つで決まります。ひとつは、お客様のバーコードを読み取って会員を呼び出せるレジかどうか。もうひとつは、会計金額に応じてポイントを付けられるレジかどうかです。この2つを満たすレジは多く、満たしていれば、下の表のほとんどが「できる」側に入ります。まずは、標準でできることと、レジやお店の設備によって変わることを、線引きして見てみましょう。
会員証のバーコードを読み取って、レジで顧客を呼び出せます。顧客バーコードを読み取れるレジなら、メーカーを問わず対応できます。
レジに連動させても、レジを通さずタブレットとスキャナーだけでも運用できます。レジがない業態でも来店ポイントは付けられ、オンライン購入には金額に応じた付与のルールを決めれば対応できます。
お使いのレジ・POSや、予約・顧客管理システム側の対応によります。対応していれば、ポイントデータを取り込んで会員証に表示できます(数十万件規模を取り込んだ実績あり・反映は翌日が基本)。対応の可否は、お使いのシステムの提供元に確認しながら進めます。
会計を通した瞬間に消し込みまで終わる連携や、レジのデータ(お預かり・順番待ち・作業の進み具合など、業種で中身は変わります)を会員証に一体で映す機能は、標準の範囲を超えるため追加開発で対応します。標準でも、会員を呼び出せばレジ側に状況は表示されるので、運用は回ります。
会員証はお客様一人ひとりのLINEに紐づくため、共有はできず会員が分かれます。もっとも、分かれることでご家族それぞれのLINEにお知らせが届くようになる、という見方もできます。
表の「△ 追加開発」は、標準ではそのままできないけれど、開発で対応できる領域という意味です。L会員証は追加開発も承っているので、世の中で「できない」とされていることの多くは、実際には「標準外だが作れる」に近いものです。純粋に仕様として変えられないのは、個人のLINEに紐づくことによる家族での共有くらい、というのが実際のところです。
レジのポイントデータ 数十万件規模を 取込
会員証への反映 毎日 自動・翌日 反映
※お使いのPOSがデータを書き出せる場合。連携の可否や反映のしかたはレジにより異なります。
導入をおすすめしない店
- 会計を通した瞬間に、会員特定や消し込みまで全自動で終わる連携が、追加開発なしで絶対に必要な店。標準は「会員証の提示 → レジで呼び出し」という運用です。会計との全自動が絶対条件なら、お使いのシステムに付属する専用アプリ(業種により、レジ付属・予約管理・モバイルオーダーなど提供元はさまざまです)のほうが向くこともあります。
- 受付が無人のセルフ端末中心で、その端末がバーコードやQRコードを読み取れない場合。読み取れる端末なら連携でき、読み取れない端末なら、その受付だけは従来の物理カードとの併用になります。
- 毎週のように通うヘビーユーザーが中心で、ポイントや決済まで作り込んだ専用アプリが要る店。役割が違うので、ヘビーユーザーはアプリ、それ以外はLINE、という住み分けが現実的な場合もあります。
- 補助金ありきで導入を決めたい店。月額制のクラウドサービスは補助の対象額が出にくく、補助金を前提にした導入には向きません。
運用で、先に知っておくこと
できないことのほかに、運用で先に知っておくと安心な点がいくつかあります。まず、一斉配信は送ってしまうと後から取り消せません(予約配信なら、予約中であれば取り消せます)。クーポンも一度作成すると内容の編集ができず、間違えたら作り直しになります。どちらもLINE側の仕様で、私たちも運用のレクチャーで必ずお伝えしている点です。
回数券やクーポンの「使用する」の操作は、お客様の目の前で行うのがいちばんトラブルがありません。お客様が来店前にご自分で「使用済み」を押してしまうと、その場で使えなくなってしまうためです。券面やクーポンに一言そえておくだけで防げますが、知らないと戸惑うので、最初にお伝えしています。また、LINE公式アカウント標準のスタンプは、基本的に1日1回1ポイントで、曜日によって付与数を変えるような細かい調整はできません。柔軟なポイント設計が必要なら、標準スタンプではなく会員証側のポイント機能を使う、という切り分けになります。
よくある不安と、その答え
QLINEを使っていないお客様は、置いていかれませんか。
ほとんどいない、というのが現場の実感です。メールしか使わない層より、LINEを使っていない層のほうが圧倒的に少なく、70代でも約7割がLINEを使っています。それでも戸惑う方は一定数いますが、それは何を導入しても同じで、その方には従来の物理カードを併用していただければ済みます。
Qお客様とのやり取りを、全部自分がさばくことになりませんか。
なりません。配信は月に1回程度でも十分に成り立ちますし、個別のやり取りが必須なわけでもありません。配信の作成そのものが負担なら、運用を代行する選択肢もあります。実際の運用は、思っているよりずっと軽いものです。
Q友だち追加しても、すぐブロックされるのではありませんか。
会員証がLINEの中にあると、会員証を開くたびにブロックを解除する必要があるため、来店のたびに自然と解除されていきます。単なる販促用のアカウントより、むしろ解除されにくい構造です。
QすでにLINE公式アカウントを使っています。会員証にする意味はありますか。
通常のLINE公式アカウントは、友だちが増えても管理画面では誰がどの会員か分からず、特定の一人にだけ連絡することができません。会員証システムを重ねると、レジの会員番号と紐づいて、番号で検索して特定のお客様にメッセージを送れるようになります。クーポンやスタンプが標準機能だとすれば、会員証はその上に足すプラグインのような位置づけです。
Q途中でやめたくなったら、お客様との縁が切れませんか。
切れません。LINE公式アカウント自体は独立して動いているので、連絡手段は残ります。解約してもお客様側に不利益はなく、メニューから会員証のボタンが消えるだけで、レジや顧客データは何も変わりません。始めるハードルと同じくらい、やめるハードルも低い設計です。
Qすでに独自アプリで会員を集めました。今から変えるのは大変では。
アプリの利用率が上がるほど、システムもレジも乗り換えにくくなっていきます。会員が少ない早い段階のほうが、切り替えは楽です。とはいえ、いきなり全部を移す必要はありません。しばらくアプリとLINEを併用しながら、少しずつ移していくこともできます。
Qすでに紙のDMをやめ、LINE公式だけで運用しています。月額を払う価値は。
実際のところ、すでに紙のDMをやめてLINE公式アカウントだけで回している店には、会員証システムの月額が単純な上乗せに見えて、話が進みにくいことがあります。逆に、まだ紙のDMにコストをかけている店や、これからゼロからデジタル化する店では、DM費用の置き換えとして効果が見えやすく、判断も早い傾向があります。自分の店がいまどちらの位置にいるかで、価値の感じ方は変わります。
向く店・向かない店の、見分け方
- 完全なレジ自動連動が絶対条件ではない
- 来店の間隔が数ヶ月〜年単位のお客様が多い
- いま会員カードやDMにコストをかけている
- まずは手軽にデジタル化を始めたい
- 会計と一体の全自動処理が追加開発なしで絶対
- 毎週通うヘビーユーザーが中心でアプリの作り込みが要る
- 補助金ありきでしか導入を判断しない
美容室のように数ヶ月に一度、車の整備のように年に数回といった、来店の間隔が空くお客様が多い業種ほど、専用アプリより効果が出やすい傾向があります。アプリは来店のたびに開いてもらうのが前提で、間隔が空くと存在ごと忘れられてしまうためです。向くか向かないかで迷う場合は、いまの会員証やお客様への連絡がどうなっているかを教えてください。無理に勧めることはしません。この記事で「うちは向かないかも」と思われたなら、それもひとつの正しい判断です。仕組みごとの詳しい違いはL会員証のサービスページにまとめています。できない点だけでなく全体像を見たうえで判断したい方は、LINE会員証とは何かの記事もあわせてご覧ください。
「うちの店だと、向いていますか」。その見極めから、無料でご相談を承ります。
いまの会員証・レジ・お客様への連絡の形を教えていただければ、できること・できないことを、そのままお答えします。