高齢のお客様とLINE会員証|紙と併用しながら無理なく移行する

高齢のお客様とLINE会員証 ─ 紙と併用しながら、無理なく移行する
「うちの高齢者のお客さん、、LINEの会員証つかえないと思います」。会員証をデジタルにするご相談で、客層が高い小売店やサロン、温浴施設の方から、必ずといっていいほどこの言葉が出ます。気持ちはよく分かります。ただ、いざ店頭で始めてみると、心配していたほどには高齢のお客様はつまずきません。理由は単純で、思っている以上に、LINEがすでに高齢の方々に行き渡っているからです。
この記事は、移し方の技術的な手順ではなく、「客層が高いお店で、無理なく移行するにはどう構えればいいか」に絞って書きます。番号を引き継ぐ・振り直すといった段取りは紙カードからの移行手順の記事にゆずり、ここでは、高齢のお客様が持つ不安への答えと、紙をいきなり捨てずに併用しながら進める考え方をまとめます。読み終えたときに、自分の店のお客様の顔を思い浮かべながら、「これなら焦らず始められる」と思える状態を目指します。
高齢のお客様は、もうLINEを使っている
まず、数字の話からです。高齢のお客様でも、LINEはもう9割方の方がすでに使っています。世代を70代に絞っても、およそ7割が使っているというのが現場の実感で、スマートフォンさえ持っていれば、たいていの方にはもう入っています。もちろん、操作に戸惑う方はいます。ただ、そういう方は、会員証を何の仕組みにしても同じように戸惑うので、別のツールに替えれば解決する、という話ではありません。日常のやり取りで慣れている道具に載せるほうが、むしろ壁は低いのです。
「うちのお客さんは、そもそもLINEを持っていないのでは」という心配もよく聞きます。けれど、現場で見ているかぎり、LINEをまったく持っていない高齢の方はほとんどいません。感覚としては、メールしか使わないという層のほうが、むしろ少ないくらいです。そしてもう一つ大事なのが、届きやすさです。お年寄りは新しいアプリを警戒しがちですが、LINEだけは別で、いくつもあるSNSの中でいちばん信頼して開いてくれます。アプリの操作は苦手でも、LINEは家族との連絡で毎日開くので、お店からの通知も自然と目に入る──ここが、高齢客中心のお店ほど効いてきます。
高齢のお客様でも 利用は 約9割
70代に絞っても およそ 7割 が利用
開いてもらえる度 SNSの中で いちばん高い
※スマートフォンをお持ちなら、たいていすでに入っています。戸惑う方は、どの仕組みでも同じように戸惑います。
この数字は、「高齢だからデジタルは無理」という思い込みを、いったん外していい、ということを示しています。壁は年齢そのものではなく、新しいアプリを一から覚え直すことのほうにあります。すでに毎日使っているLINEに会員証を載せるなら、覚え直すものはほとんどありません。友だち追加さえできれば、あとは会計のときにスマホを見せてもらうだけです。それでも登録でつまずく方は、次の章のとおり、無理に押し込まず、紙のまま続けてもらえば済みます。
全部をデジタルにしなくていい
高齢のお客様が中心のお店で失敗しやすいのが、「せっかくやるなら全部スマホに」と、いきなり全員をデジタルへ寄せようとすることです。そうする必要はありません。考える順番は逆で、まず「最低限どこがデジタルになれば、現場がいちばん楽になるか」から入るのがコツです。紙のカードや台帳との併用を前提にして、いま手間になっている部分だけをLINEに移す。そう割り切ると、無理に全員を動かさずに済み、スタッフも身構えずに始められます。
実際の店頭では、お客様を大きく二つに分けて構えれば十分です。スマートフォンをお持ちの大多数の方にはLINE会員証に移ってもらい、お持ちでない方には、これまでどおり紙のカードを続けてもらう。この二つは同じレジ・POSの上で無理なく共存します。多くのレジ・POSや予約・顧客管理システムは、会員バーコードを複数の種別で持てるので、紙・LINEが混ざっても操作は変わりません。
大多数の高齢客はここ。すでにLINEを毎日使っているので、覚え直すことはほぼありません。つまずいたら店頭で一緒に登録すれば、その一回で済みます。
ごく少数のこの層は、無理に動かさず紙のまま。番号の体系が同じなので、レジ・POSの操作はどちらのお客様に対しても変わりません。
この二層に分けておけば、「高齢のお客様をどうするか」という悩みは、ほとんど消えます。移れる方から移り、移れない方はそのまま。どちらも取りこぼさないので、お店側もお客様側も、無理をせずに済みます。
紙を、急にやめない
もう一つ、客層が高いお店でよくあるのが、店主ご自身が長年の紙のやり方に自信を持っているケースです。とくに高齢の経営者ほど、「新規のお客さんはチラシで取るものだ」という信念をお持ちのことが多く、これは否定するものではありません。長くお店を続けてこられた実績そのものだからです。切り替え期にいきなり全部をやめるのは、やはり怖い。だからこそ、移行期間を設けて、徐々に減らしていくのが現実的です。移行が進んだ分だけ、チラシやDMの費用と回数を落とし、浮いた予算をLINEへ回していく。こうすれば、いま効いている集客を止めずに、少しずつ重心を移せます。
ただし、だらだらと紙を併用し続けるのも考えものです。期限を決めずに両方を回し続けると、いつまでも二重管理が残り、かえって現場が疲れます。ここで効くのが、方針を言葉にして伝えることです。「今後は段階的に、紙のカードからLINEに切り替えていきます」とお客様に一言案内すると、多くの方は「それならしょうがないね」と受け止めて、移行がすっと進みます。急がせないが、期限を曖昧にもしない。この匙加減が、高齢客中心のお店ではとくに大事になります。
今は、紙もチラシも全部残す
始めた瞬間に何かをやめる必要はありません。紙のカードもチラシもそのままに、LINE会員証を「もう一つの入り口」として足すだけ。ここで現場が身構えないことが、あとの移行を軽くします。
店頭でLINEの案内を始める
レジ横にQRコードのPOPを置き、会計のときに未登録の方へ一声かけます。スマホをお持ちの高齢客には、その場で一緒に友だち追加まで済ませると、一回で定着します。
切り替えの方針を、やんわり伝える
「今後は少しずつ紙からLINEに移していきます」と案内します。期限を強く切るのではなく、方向を示すだけ。多くのお客様はこれで納得して、自分から移ってくれます。
進んだ分だけ、紙とDMを減らす
LINE会員が増えた分、チラシやDMの回数と部数を落とし、浮いた費用をLINEの配信へ移します。集客を止めずに、コストの重心だけを静かに移していけます。
この四段だと、どこにも「一気にやめる」瞬間がありません。始めても紙は残り、方針を伝えても急かさず、減らすのは移行が進んだ分だけ。だから、店主にとってもお客様にとっても、こわい段差がないわけです。季節のハガキで来店を思い出してもらっていたお店も、その役割を少しずつLINEの配信に引き継いでいけば、案内が途切れる心配もありません。
紙とLINEが混ざる時期の、実際
これからは片方が紙のカード、もう片方がLINE、と別々に持てます。共有だと「今日はどっちが持っている」となりがちだったのが、それぞれの手元で完結します。片方だけスマホという高齢のご夫婦でも、無理なく分けられます。
いちばん来店する方がまずLINEに切り替え、残りのご家族は来店のたびに一人ずつ登録していけば十分です。全員分を一度にそろえる必要はなく、来る人から順に移ってもらう、というくらいの構えで進めれば現場も慌てません。
高齢のお客様がとくに心配されるのが機種変更です。会員証はLINEのアカウントに紐づくので、機種を替えるときにLINEさえ引き継げば、会員証も貯まったものもそのまま移ります。買い替えのたびに作り直す、ということはありません。
高齢のお客様が多いお店ほど、店側が焦らない構えが効きます。一日に何人も新規登録をさばこうとせず、会計でスマホをお持ちの未登録の方に一組ずつ声をかけ、その場で友だち追加まで一緒に済ませる。混んでいる時間は無理に案内せず、空いた時間に回す。この「一組ずつ」の積み重ねだけで、半年ほどかけてお店の会員がLINEへ移っていきます。数字を追って急がないことが、高齢客中心の店ではかえっていちばんの近道になります。
よくある質問
Qうちは高齢のお客様ばかりですが、LINE会員証は使ってもらえますか。
多くの場合、使ってもらえます。高齢のお客様でも、LINE自体は9割ほどの方がすでに使っており、70代でもおよそ7割が利用しています。会員証は毎日使っているLINEに載せるので、新しいアプリを一から覚える必要がありません。友だち追加さえできれば、あとは会計のときにスマホを見せてもらうだけです。
Qスマホを持っていないお客様は、どうなりますか。
これまでどおり、紙のカードを続けてもらえば問題ありません。全員を一度にデジタルへ寄せる必要はなく、スマホをお持ちの方はLINEへ、お持ちでない方は紙のまま、と分けて構えれば済みます。番号の体系が同じなので、レジ・POSの操作はどちらのお客様に対しても変わりません。
Q紙のカードやチラシは、すぐにやめないといけませんか。
やめる必要はありません。移行期間を設けて、徐々に減らしていくのがおすすめです。LINE会員が増えた分だけ、チラシやDMの回数と部数を落とし、浮いた費用をLINEの配信へ回していけば、いま効いている集客を止めずに重心を移せます。ただ、期限を曖昧にしたまま延々と併用するより、「段階的に切り替えます」と方針を伝えたほうが、かえって移行はスムーズに進みます。
Q夫婦や家族で1枚のカードを共有していた場合は、どうすればいいですか。
別々に持てます。ご夫婦なら片方が紙・片方がLINEと使い分けられ、1枚を回していたときより手元がはっきりします。人数の多いご家庭は、いちばん来店する方から先にLINEへ、残りは来店のたびに一人ずつ、と急がず分けていけば十分です。全員分を一度にそろえる必要はありません。
Q登録の操作でつまずくお客様がいたら、どうしますか。
店頭で一緒に進めれば、たいていその一回で済みます。会計のときに、レジ横のQRコードから友だち追加までを一緒にやってしまうのが確実です。それでも難しい方は、無理に押し込まず紙のカードを続けてもらえば大丈夫です。操作に戸惑う一部の方は、どんな仕組みにしても戸惑うので、そこは紙で受け止める、と割り切って構いません。
Q高齢のお客様がスマホを買い替えたら、会員証は消えますか。
消えません。会員証はLINEのアカウントに紐づくので、機種変更のときにLINEを引き継げば、会員証も貯まったポイントもそのまま移ります。お客様には「LINEさえ引き継げれば大丈夫です」と一言お伝えしておくと、買い替えのときも安心してもらえます。
焦らず、紙と併走しながら
お店のお客様の年齢層と、いまお使いの紙のカードやチラシの使い方を教えていただければ、どのくらいの速さで、どこから移すのが向くかをその場でお答えします。仕組みの詳細はL会員証のサービスページにまとめています。「うちのお客さんには難しい」と決めてしまう前に、まずは自分の店なら紙とどう併走させながら進められるか、そこだけ描いておくと、迷いが小さくなります。仕組みそのものから確かめたい方は、LINE会員証とは何かの記事をご覧ください。
お客様の年齢層と、今の紙カード・チラシの使い方を教えていただければ、無理のない移行の進め方を無料でご提案します。
紙とLINEを併用しながら、どこから始めるかのご相談も承ります。