LINE公式のショップカードと会員証システムの違い|無料機能でどこまででき、いつ格上げするか

LINE公式のショップカードと会員証システムの違い ─ 無料機能でどこまででき、いつ格上げするか
「LINEのショップカードでスタンプは配っているんです。これで会員証は足りていますよね?」。整骨院や美容サロンのオーナーとお話ししていると、この質問をよく受けます。実際、LINE公式アカウントにはショップカードという機能が標準で付いていて、来店ごとにスタンプを押していく仕組みは無料で始められます。まずはここから、というお店はとても多い。ただ、しばらく運用してみると「思ったほど伸びない」「常連さんの顔が見えない」と感じ始める瞬間が来ます。その正体を、この記事ではっきりさせておきます。
取り上げるのは、LINE公式の標準機能であるショップカード(スタンプ)と、その上に載せる会員証システムが、そもそも何が違うのか。そして、無料のスタンプでどこまでできて、どのタイミングで会員証へ格上げすると効くのか、という一点です。無料でどこまでやれるかの全体像や、方式そのものの比較は別記事にゆずり、ここは「標準のスタンプ機能と会員証システムの境目」だけに絞ります。飲食・美容・整骨院・物販・温浴・クリニックなど、リピートで成り立つお店なら、どこも同じ地図の上にいます。読み終えたときに、自分の店はまだスタンプで十分か、もう格上げの時期かを、迷わず言える状態を目指します。
ショップカードは、LINE公式の「無料の入り口」
まず前提の整理です。ショップカードは、クーポンなどと並んでLINE公式アカウントに最初から用意されている標準機能です。管理画面から設定すれば、来店ごとにスタンプが1個貯まり、規定数でごほうび、という紙のスタンプカードをそのままスマホに移した運用が、追加費用なしで始められます。導入のハードルはほぼゼロで、「まずやってみる」には申し分ありません。小さな飲食店やサロンが、紙のカードをやめてここへ移すのは、素直で良い一手です。
一方の会員証システムは、そのLINE公式アカウントの上に載せる、会員証・ポイント・顧客管理の仕組みです。友だち追加した人に一人ひとり会員番号を割り当て、来店履歴や購入金額を紐づけて管理します。スタンプが「押した数を数える機能」だとすれば、会員証システムは「誰が・いつ・いくら使ったかを一人単位で持つ台帳」です。この持ち方の違いが、次に挙げる差の全部につながっていきます。まずは両者を横に並べてみます。
とにかく手早く、無料で始められるのが最大の利点。来店回数を数えるだけなら十分に回りますが、金額に応じた付与や会員ランク、一人ひとりへの連絡は守備範囲の外です。
会員番号で一人ずつ管理するので、金額に応じたポイントや会員ランク、特定の人への連絡まで踏み込めます。スタンプで見えなかった「常連の顔」がデータとして立ち上がります。
並べてみると、無料か有料かという費用の差より、「一人単位で持てるかどうか」が本質だと分かります。スタンプは押した回数の合計は見えても、その一個一個が誰のものかまでは追いません。会員証システムは最初から一人ずつの台帳なので、後から「金額に応じて」「ランクごとに」「あの人にだけ」といった操作ができます。この差が具体的にどこで効くのかを、次の章で見ていきます。
スタンプだけでは、届かないこと
金額に応じたポイント/会員ランク スタンプ 不可 / 会員証 設計できる
特定の一人への連絡 スタンプ 不可 / 会員証 できる
来店前の見込み客の登録 スタンプ 来店必須 / 会員証 事前に登録できる
※会員数の絶対値は客数で決まります。ここは「同じ客数で、何が持てて誰に届くか」の差です。
スタンプが苦手とすることは、大きく三つです。一つ目は、金額に応じた付与や会員ランクの設計。スタンプは「来店=1個」が基本なので、5,000円使った人も500円の人も同じ一個です。物販や温浴施設のように客単価の幅が大きい業態だと、たくさん使ってくれた人ほど報われる仕組みにしたくなりますが、そこはスタンプの手が届きません。二つ目は、狙った一人への連絡です。通常のLINE公式アカウントの配信は、友だち全員か、ざっくりした属性への一斉送信が中心で、「この一人にだけ」という個別の連絡は想定されていません。会員証システムなら会員番号で相手を特定できるので、「前回お忘れ物がありました」「そろそろ半年になります」といった一対一の声かけができます。
三つ目は、来店前の見込み客を会員にできないことです。スタンプは来店してはじめて一個目が押されるので、名簿は来た人だけで埋まります。会員証システムは、まだ一度も来ていない人でも友だち追加から登録でき、来店前の見込み客を先に囲えます。ここで効いてくるのが、友だちの母数の伸び方です。販促の告知用にLINE公式アカウントを回しているだけだと、友だちは1店舗あたり500〜1,000人あたりで頭打ちになりがちです。ところが会員証を来店時の受付動線に組み込むと、来店客のほぼ全員が友だちになっていきます。ある多店舗の来店型チェーンでは、会員証を受付に据えたことで、年間の有効会員のうち約9割が友だち登録に至っています。同じ客数でも、囲える人数がまるで変わるわけです。
もう一つ、地味ですが大きいのがブロックのされにくさです。ただの配信用アカウントは、案内が続くと気軽にブロックされます。会員証システムは、ブロックすると自分の会員証やポイントが使えなくなる関係にあるため、お客様の側にブロックしない理由が生まれます。せっかく集めた到達先が痩せていかないのは、続けるほど効いてきます。
できること・できないことを、並べて確かめる
「10回で1回サービス」のような回数ベースの特典なら、標準のショップカードで無理なく回ります。まずここから始めるお店が多く、それで正解です。
客単価の幅が大きい物販・温浴・飲食などで、金額連動やランク別特典を組みたいなら、一人単位で金額を持てる会員証システムが必要になります。
「久しぶりの方へ」「誕生月の方へ」など、相手を絞った一対一の連絡は、会員番号で相手を特定できる会員証システムの得意分野です。標準機能の一斉配信とは別物です。
スタンプは来店が起点。まだ来ていない人を先に囲い、母数を来店客のほぼ全員まで伸ばしたいなら、事前登録できる会員証システムに分があります。
この表の見方はシンプルです。◯の行しか要らないうちは、無料のスタンプで続けて構いません。△の行を「そろそろやりたい」と思い始めたら、それが格上げの合図です。次の章で、その合図をもう少し具体的な形にしておきます。
いつ、会員証システムへ格上げするか
友だちの数が、頭打ちになってきた
告知用に配信するだけだと、友だちは1店舗500〜1,000人あたりで伸びが鈍ります。「最近ほとんど増えない」と感じ始めたら、来店動線に会員証を組み込んで母数を取りにいく段階です。
常連さんを、名前で追いかけたくなった
「あの人、最近見ないな」を勘ではなくデータで拾いたい、久しぶりの人にだけ一声かけたい。そう思ったら、一人単位で持てる会員証システムの出番です。スタンプの人数集計では、そこには届きません。
金額やランクで、特典を変えたくなった
たくさん使ってくれる人に厚く報いたい、上位のお客様だけの特典を用意したい。金額連動や会員ランクは標準スタンプの外なので、ここが見えてきたら格上げの時期です。
有料会員や年会費と、つなげたくなった
LINEを無料の入り口にして母数を集め、そこから有料会員の特典を案内して来店時に加入してもらう。この二段構えを回すには、誰が有料会員かを一人単位で持てる会員証システムが土台になります。
四つのうち一つでも「もう来ているな」と感じたら、格上げを検討する頃合いです。逆に、まだ回数ベースの特典で回っていて、母数にも不満がないなら、急いで動く必要はありません。大事なのは、格上げは「捨てて乗り換える」ものではない点です。会員証システムは同じLINE公式アカウントの上に載るので、いま貯まっているスタンプの考え方も、集めた友だちも、そのまま土台にして機能を足していけます。しかも、レジ・POSや予約・顧客管理システムでの提示・読み取りが簡単なほど利用は増えるので、格上げのときは、お客様とスタッフの手数がなるべく増えない形に整えておくのがコツです。
お金の面でも、二段構えは理にかないます。入り口を無料のLINEにして間口を広げ、来店したお客様に有料会員やランク特典を案内して、その場で加入してもらう。無料で集める層と、しっかり使ってくれる層を分けて設計できるのは、一人単位の台帳を持つ会員証システムだからこそです。物販でも整骨院でも、この考え方はそのまま当てはまります。
よくある質問
QLINE公式のショップカード(スタンプ)と会員証システムは、何が根本的に違いますか。
持ち方が違います。ショップカードは押したスタンプの数を数える標準機能で、無料で始められます。会員証システムは、友だち一人ひとりに会員番号を割り当て、来店履歴や金額を一人単位で持つ台帳です。この違いから、金額連動・会員ランク・個別の連絡といった、スタンプではできないことが可能になります。
Qまずは無料のスタンプだけで様子を見てもいいですか。
問題ありません。来店回数を数えて規定数でごほうび、という回数ベースの運用なら、標準のショップカードで十分に回ります。多くのお店がここから始めます。金額に応じた特典や、常連さんへの個別の連絡をやりたくなったときが、会員証システムを検討する合図です。
Qスタンプだと、なぜ会員が頭打ちになるのですか。
スタンプは来店してはじめて貯まる仕組みなので、名簿が「来た人」だけで埋まりやすいためです。告知用に配信するだけだと、友だちは1店舗あたり500〜1,000人ほどで伸びが鈍る傾向があります。会員証を来店時の受付動線に組み込むと、ある多店舗の来店型チェーンでは年間の有効会員の約9割が友だち登録に至った例もあり、同じ客数でも囲える人数が大きく変わります。
Q特定のお客様にだけ連絡したいのですが、スタンプでできますか。
標準機能だけでは難しいです。通常のLINE公式アカウントの配信は、全員か属性ごとの一斉送信が中心で、一人だけを狙った連絡は想定されていません。会員証システムなら会員番号で相手を特定できるので、久しぶりの方や誕生月の方へ、といった一対一の声かけができます。
Qいま貯めているスタンプは、格上げしたら無駄になりますか。
無駄にはなりません。会員証システムは同じLINE公式アカウントの上に載るので、いまの友だちも、スタンプで培った特典の考え方も、そのまま土台にして機能を足していけます。捨てて乗り換えるのではなく、無料の入り口の上に会員証を積み増すイメージです。
Q年会費や有料会員と、LINEは両立できますか。
両立できます。無料のLINEを入り口にして母数を広く集め、来店したお客様に有料会員やランク特典を案内して、その場で加入してもらう二段構えが定番です。誰が有料会員かを一人単位で持てる会員証システムがあると、この設計がきれいに回ります。
無料で始めて、合図が出たら積み増す
いまショップカードでどんな特典を配っているか、そして会員証で何を実現したいか(母数を増やしたい、常連さんに個別で連絡したい、金額やランクで特典を分けたい、など)を教えていただければ、まだスタンプで十分か、もう格上げの時期かをその場でお答えします。会員証システムの具体的な仕組みはL会員証のサービスページにまとめています。大きく変える前に、いまの無料機能でどこまで粘れて、どこから先が別物なのかだけ、先に見きわめておくと判断が早くなります。会員証システム側の全体像については、こちらの記事で詳しく説明しています。
いまLINE公式で配っているスタンプの内容を教えていただければ、会員証システムへ格上げする価値があるかを無料でお答えします。
無料機能のまま続けるか、いつ積み増すかのご相談も承ります。