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紙の回数券を電子化する方法|LINEで売って、その場で消し込むまで

TICKETSPAPER PASS TO DIGITAL

紙の回数券をデジタルにする方法 ─ LINEでの販売・消込・有効期限と、資金決済法の注意

友だち登録で即販売 店頭確認で消込 有効期限は6ヶ月に注意

「回数券、まだ紙で刷ってるんですよ」。ある施設の受付では、券種ごとに版を作った紙の回数券を売っていました。受付でお客様に販売し、バーコードが印字済みのチケットを一枚お渡しする。次に来たとき入場口でそれを読むと、その一回分が使用済みになり、無料で通れる──よくできた仕組みです。ただ、券を刷るたびに版を起こし、まとまったロットで発注し、「新しい回数券をはじめました」と告知して回る。その毎回のひと手間が、ずっとついて回っていました。

この記事では、紙の回数券をデジタルに移す方法を、販売・消込(使用済みにする作業)・有効期限・法対応の順にたどります。前売りで来店回数をまとめて買ってもらう仕組みは、温浴施設やエステ、整体・整骨院、ヨガ、洗車、子どもの習い事まで、業種を問わず広く使われています。ここで扱うのはその土台の部分なので、業態が違っても同じ考え方で読み進められます。読み終えたとき、自分の店なら紙の回数券をどうデジタルに載せ替えるか、具体的に描ける状態を目指します。

WHY

紙の回数券が、デジタルで軽くなる理由

紙の回数券のいちばんの重さは、売り始めるまでの準備にあります。券種ごとにデザインの版を作り、まとまった単位で印刷を発注し、在庫として抱える。券面が変われば刷り直しで、余れば無駄になります。さらに「回数券を始めました」と店内やSNSで告知し、券を配って回る手間もかかります。デジタルなら、この前工程がまるごと要りません。LINEの友だち登録さえ済んでいれば、その場で新しい券種を作って売り出せます。思い立った日に、在庫ゼロで一枚も刷らずに販売を始められる、というのが最大の違いです。

紙の回数券
売り出すまで版づくり・ロット発注
在庫刷った分を抱える
券種の追加その都度刷り直し

券面ごとに版を起こして印刷・在庫・告知が必要。試しに新しい券種を出したいときも、刷ってからでないと売れません。

デジタルの回数券
売り出すまで友だち登録さえあれば即
在庫なし
券種の追加管理画面で作るだけ

刷らずに売れるので、券種を試しやすいのも利点。たとえば「お試しの3回券(うち1回無料=およそ33%オフ)」のような入り口向けの券も、その場で作って配れます。

この「刷らずに売れる」は、価格やキャンペーンを試すときに効いてきます。閑散期に合わせて期間限定の券を出す、初めての方向けにお試し券で入り口を広げる、といった打ち手を、印刷を待たずに回せます。反応が薄ければ引っ込め、当たれば続ける。紙だと在庫が足かせになる小回りが、デジタルだと軽くなります。

FLOW

販売から消込までの流れ

デジタルの回数券は、お客様一人ひとりのLINE会員証に「残り回数」として持たせる形が扱いやすく、販売から使用までが一本の流れになります。実際の一連の動きを、受付とお客様の両側から並べてみます。

1

受付で回数券を販売する

お客様のLINE会員証を呼び出し、管理画面から券種を選んで付与します。支払いはその場の現金・キャッシュレスで受け取ればよく、券を印刷して手渡す作業はありません。

2

お客様の会員証に残り回数が入る

買った回数が、そのままLINE会員証に「残り◯回」として表示されます。券が別に届くのではなく、いつも提示している会員証に紐づくので、探す手間がありません。

3

来店時に会員証を提示してもらう

次の来店では、お客様はLINE会員証を開いて見せるだけ。財布から紙の券を出す、忘れて取りに戻る、といったことがなくなります。

4

スタッフが確認して一回分を消し込む

スタッフが画面を目で確かめ、お客様に「使用する」を押してもらいます。このとき画面には時間で変わる4桁の確認コードが出て、押した記録が管理画面に残ります。スクリーンショットの使い回しでは通らない仕組みです。

5

残り回数が減り、履歴に記録される

使った分だけ残り回数が減り、「いつ・どの券を・何回使ったか」が履歴に積み上がります。発行・使用・取消のすべてが残るので、あとから見返すのも簡単です。

ポイントは4番目の消込です。紙の回数券は、券にハサミを入れる・スタンプを押すといった物理的な行為で「使った」ことを示していました。デジタルでは、この確からしさを画面上でどう担保するかが肝心になります。スクリーンショットを見せて使ったふりをされたら、券の価値が崩れてしまうからです。次の章で、そのごまかしを防ぐ仕掛けを見ていきます。

GUARD

「使ったふり」を防ぐ、消込の仕掛け

CHECK ─ 店頭確認方式で守るポイント

画面に出る確認コード 時間で変わる4桁 / スクショは通らない

押した記録      管理画面に自動で残る

発行・使用・取消   すべて履歴に保存 / 誤操作もやり直せる

※スタッフが画面を確認したうえで、お客様自身に「使用する」を押してもらう店頭確認方式。

消込の中心は、スタッフが画面を目で確かめたうえで、お客様に「使用する」を押してもらう店頭確認の方式です。このとき表示される確認コードは時間で変わる4桁なので、あらかじめ撮っておいたスクリーンショットでは通用しません。押した瞬間に管理画面へ記録が残るため、「本当にその場で使ったのか」が後から追えます。券をハサミで切る代わりに、時間で変わるコードと記録が、使用の確からしさを支えているわけです。

もう一つ大きいのが、発行・使用・取消のすべてが履歴に残ることです。紙の回数券だと、間違えて二枚渡してしまった、切るべきでない券を切ってしまった、というときのやり直しが難しく、その場の判断でうやむやになりがちでした。デジタルなら、二重発行や誤った取消のような操作ミスも、履歴をたどって元に戻せます。混み合う受付で起きがちな取り違えを、記録の上でリカバリできるのは、現場の安心につながります。

POS

レジ・POSとの連携は、どこまで必要か

回数券の消込は、本来なら会計と一体にして、お使いのレジ・POS(や予約・顧客管理システム)の側で処理できるのが理想です。ただ、そこまで作り込もうとすると、システムごとの仕様に合わせた開発が必要になり、費用も工期も一気に膨らみます。現実的な進め方は、まずレジ・POSと連携させずに、回数券だけを電子化するところから始めることです。消込は受付の端末で行い、会計はこれまでどおり──と切り分ければ、大がかりな開発なしにデジタル化の効果を先取りできます。

この割り切りは、市場に出ている電子回数券の多くが取っている形でもあります。既存の券売機やレジ・POSでそのまま読める電子回数券は少なく、受付側のスマートフォンやタブレットに専用の画面を入れて、そこでお客様のQRや会員証を読んで消し込む、というやり方が一般的です。つまり「レジと完全連動」を最初のゴールに置かず、受付での消込から入るのは、特殊な選択ではなく標準的な入り口だということです。連携を深めるのは、電子化で手応えを得てからでも遅くありません。

ONLINE

オンライン販売と決済は、後から足せる

「回数券をその場に来なくても買えるようにしたい」という相談もよくあります。結論から言えば、Web決済は後付けできます。まずは受付での現地決済と、管理画面からの付与で回し始め、オンライン販売はあとから足す、という順番で問題ありません。決済を組み込む場合は、クレジットカード決済のStripe(ストライプ)を使うのが一般的で、決済手数料はおよそ3.6%です。売上からこの手数料が引かれる前提で、券の価格を考えておくとよいでしょう。

費用の面でも、この設計は無理がありません。オンライン決済つきの回数券販売は決済サービスが絡むためオプションの位置づけになり、使わなければ標準の機能だけで、そのぶんの追加費用はかかりません。まず受付での販売と消込という土台を作り、通販のように券を売りたくなったら決済を後付けする。段階を踏めるので、最初から大きく構えなくて済みます。

LAW

有効期限と資金決済法の注意

CHECK回数券と前払式支払手段の関係
有効期限が6ヶ月以内基本は対象外

発行から6ヶ月以内に使い切る前払いは、前払式支払手段の規制の対象外とされています。多くの回数券は期限を短めに切って運用しており、この範囲に収まっていれば、まず神経質になる必要はありません。

有効期限が6ヶ月を超える前払式に該当し得る

期限が6ヶ月を超えると、前払式支払手段に当たり得ます。紙でもデジタルでも扱いは同じで、券をデジタルにしたから新たに規制がかかる、という話ではありません。

未使用残高が基準額を超える供託義務の可能性

売った回数券の未使用分の総額が基準額(1,000万円)を超えると、毎年3月末・9月末の基準日をもとに、残高の一部を供託する義務が生じる可能性があります。規模が大きくなってきたら、専門家に確認するのが安全です。

回数券をデジタル化するうえで、いちばん見落とされやすいのがここです。長く使える券は親切に見えますが、有効期限が6ヶ月を超えると前払式支払手段に該当し得て、未使用残高が基準額(1,000万円)を超えれば、3月末・9月末の基準日を起点に供託の義務が生じる可能性があります。これは紙でもデジタルでも同じ話で、デジタルにしたから重くなるわけではありません。むしろデジタルは未使用残高を管理画面で常に把握できるので、基準に近づいたかどうかを見張りやすい、という利点があります。券の設計段階で有効期限をどう切るかは、法対応の観点からも先に決めておきたいところです。

BIND

券は「会員証に紐づける」と探さずに済む

デジタルの回数券には、大きく二つの持たせ方があります。一つは、購入時に回数分のQRコードをまとめてトークに送る綴り型。もう一つは、会員証に「残り回数」として紐づける方式です。綴り型は一見わかりやすいのですが、後日いざ使うときに、過去のトークをさかのぼって未使用のQRを探す手間が生まれます。何枚も届いていると、どれが使用済みか分からなくなりがちです。会員証に紐づける方式なら、いつも提示している画面に残り回数が出るだけなので、この「探す」問題が起きにくくなります。販売から消込までを一本の会員証の上でつなぐと、お客様も受付も迷いません。

FAQ

よくある質問

Qスクリーンショットを見せて、使ったふりをされませんか。

防げます。消込のときに画面へ表示される確認コードは時間で変わる4桁なので、あらかじめ撮ったスクリーンショットでは通りません。スタッフが画面を確かめ、お客様自身に「使用する」を押してもらった記録が管理画面に残るため、その場で使ったことを後から追えます。

Q受付でうっかり二重に消し込んでしまったら、戻せますか。

戻せます。発行・使用・取消のすべてが履歴に残るので、二重発行や誤った取消のような操作ミスも、履歴をたどってリカバリできます。混み合う受付での取り違えも、記録の上でやり直せるのが紙との違いです。

Qいまのレジ・POSと連携させないと、回数券は電子化できませんか。

連携なしでも始められます。多くの電子回数券は、受付のスマートフォンやタブレットに入れた画面で会員証やQRを読んで消し込む形をとっており、レジ・POSとの完全連動を前提にしていません。まずは連携なしで電子化し、必要になってから連携を深める進め方が現実的です。

Q回数券を、その場に来なくても買えるようにできますか。

できます。Web決済は後付けが可能で、まず受付での現地決済と管理画面からの付与で運用を始め、あとからオンライン販売を足せます。決済にはStripeを使うのが一般的で、手数料はおよそ3.6%。オンライン決済はオプション扱いのため、使わなければそのぶんの追加費用はかかりません。

Q有効期限を長めにしても大丈夫ですか。

期限の長さには注意が必要です。有効期限が6ヶ月を超えると前払式支払手段に該当し得て、未使用残高が基準額(1,000万円)を超えると、3月末・9月末の基準日を起点に供託義務が生じる可能性があります。これは紙でもデジタルでも同じで、券の設計段階で期限をどう切るかを先に決めておくと安心です。

Q回数分のQRがトークに届く方式と、会員証に紐づく方式は何が違いますか。

使うときの探しやすさが違います。QRをまとめて送る綴り型は、後日使うときに過去のトークをさかのぼって未使用分を探す手間があります。会員証に残り回数として紐づける方式なら、いつも提示している画面に出るので、その手間が起きにくくなります。

SUMMARY

まず電子化、決済と連携は後から

紙の回数券のデジタル化は、販売・消込・有効期限・法対応の4点で考えると迷いません。刷らずに売れるので券種を試しやすく、消込は時間で変わる4桁コードと履歴で確からしさを担保します。レジ・POSとの連携やオンライン決済は後から足せるので、まずは受付での販売と消込という土台から始めるのが現実的です。ひとつだけ先に決めておきたいのが有効期限で、6ヶ月を超えると前払式支払手段に当たり得る点だけ、券を作る前に押さえておきましょう。

いまお使いの回数券の券種(何回券か、価格、有効期限)と、受付の運用(会計をどのレジ・POSや予約・顧客管理システムで行っているか)を教えていただければ、どこまでを連携なしで電子化できるか、その場でお答えします。会員証に回数券を載せる仕組みはL会員証のサービスページにまとめています。オンライン販売まで一気に組むより、まずは受付での販売と消込を軽く始めてみると、次の判断がぐっと早くなります。回数券に限らずLINE会員証で何ができるのかは、全体像の記事にまとめています。

いまの回数券の券種と有効期限を教えていただければ、どこまでを連携なしで電子化できるかを無料でお答えします。
オンライン販売・決済の後付けや、資金決済法まわりのご相談も承ります。

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