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温浴施設のLINE会員証|回数券・スタンプ・自動精算まで、受付の動線に合わせる

SPA & SAUNAFIT THE FRONT DESK

温浴施設のLINE会員証 ─ 回数券・スタンプ・自動精算まで、受付の動線に合わせる

リストバンドの順に組む 回数券をデジタルへ 自動精算にも対応

ある温浴施設では、常連の年間パスが「黒いプラスチックのチケット」でした。券面に番号もバーコードもなく、受付で見せるだけ。誰がどれだけ通っているかは、フロントのスタッフが顔で覚えている──というほとんど記録の残らない運用です。悪いことではありません。長く続いた温浴施設の受付には、こうした職人的なやり方がまだ数多く残っています。ただ、その常連が別の曜日に来て、いつもと違うスタッフが立っていたら、もう「誰か」は分かりません。会員証をデジタルにする話は、この「顔で覚える」を仕組みに置き換える話でもあります。

この記事は、温浴施設──スーパー銭湯、サウナ、カプセルホテルを併設した施設など──の会員証を主題に書きます。移行の一般的な手順やポイント設計の基礎には立ち入りません。代わりに、温浴の現場でしか出てこない三つの論点、つまり受付の動線・回数券・自動精算に絞って、それぞれデジタル化するとどう組むべきかを具体的に並べます。読み終えたとき、自分の施設の受付でどう動くかを一つずつ思い描ける状態を目指します。

STATUS

温浴業界のデジタルは、まだ二極化している

温浴・サウナの業態は、IT活用でくっきり二極化しています。資本のあるグループほど予約や会員アプリを整え、そうでない施設ほど手が付いていない。冒頭の黒いチケットのような運用が残っているのは、けっして珍しいことではありません。一方で客足のほうは、サウナブームを追い風にSNSで新しい層が流れ込んでいます。ただ、SNSはあくまで「入口」です。フォロワーが増えても、来店してくれた人をリピーターに変える受け皿がなければ、賑わいは一過性で終わります。強い施設ほど、来てくれた人を会員として囲い込む仕組みを先に持っているのは、このためです。

会員証をLINEに載せる利点は、この「入口から受け皿へ」の流れと相性がよいところにあります。SNSで知って足を運んだ人に、その場で友だち追加してもらえば、次の一通が届く相手になります。とはいえ温浴施設に会員証を入れるときの本当の難所は、機能そのものより「受付の動線に馴染むか」です。ここが合わないと、どれだけ機能が立派でも現場が回りません。順に見ていきます。

FLOW

受付の起点は、ロッカーのリストバンド

温浴施設の受付には、他業種にはない独特の順番があります。多くの施設で、動線の起点になるのはロッカー番号のリストバンドです。まずバンドを渡し、そのバンドのバーコードに「誰が入館するか」を紐づける。そのうえで回数券を読み、続けて会員カードを読む──この順で流れていきます。館内の飲食や物販をバンドで後払いにする施設なら、なおさらバンドが軸です。会員証や回数券をデジタルにするときも、この既存の順番を崩さず、同じ流れの中に差し込むのが鉄則になります。順番を変えさせる仕組みは、どんなに便利でも受付で嫌われます。

1

リストバンドで入館者を確定する

ロッカー番号のバンドを渡し、そのバーコードに入館者を紐づけます。ここは従来どおり。デジタル会員証を入れても、この起点は動かしません。

2

回数券を読む

次に回数券を消し込みます。紙の綴りを1枚ずつちぎっていた工程を、スマホに表示した回数券のバーコードを読む工程に置き換えます。読む順番は変えません。

3

会員証を読んでポイントを付ける

最後に会員証を読み、来店ポイントを付与します。会員カードは固定のバーコード、ポイントは来店1回につき一定数、特定曜日は割り増し──といった既存の付与ルールをそのまま移せます。

実際の施設では、会員カードは固定バーコード、回数券は9枚綴りのような紙を1枚ずつ消し込み、ポイントは来店1回で一定数(特定日は割り増し)を付ける、といった組み合わせで運用されています。デジタル化で大事なのは、この三つを「バンド→回数券→会員証」の順に、受付が今と同じ手つきで読めるように並べることです。会員証だけをアプリ化して読む順番が変わってしまうと、混雑した受付では一人あたりの処理が遅くなり、行列の原因になります。動線に合わせる、というのはそういう意味です。

TICKET

紙の回数券を、そのままデジタルにする

温浴施設の回数券は、受付で販売し、バーコードを印字したチケットをお客様に渡す形が一般的です。入場のたびにそのバーコードを読むと、その回が使用済みになって無料で入れる。仕組みとしてはシンプルですが、紙で回すと版下の管理、まとまった単位での印刷、在庫の保管、値上げや期限変更のたびの刷り直し、そして紛失時の対応が、じわじわと手間になります。回数券をデジタルにすると、この「版・在庫・告知」の負担がまるごと消えます。価格や有効期限を変えたいとき、新しい券を刷って古い券をどうするか悩む必要がなく、設定を変えるだけで次の販売分から反映できます。

お客様側でも、財布に何枚も回数券を挟んでおく必要がなくなり、忘れて来て入り直す、という取りこぼしが減ります。受付の動きは変わりません。前の章のとおり、バンドの次に回数券を読むだけ。読む対象が紙からスマホの画面になるだけなので、スタッフの手順を新しく覚え直させることもありません。回数券は温浴施設の売上を前倒しで確保できる大切な商品ですから、買いやすく・使いやすくしておく価値は大きいはずです。

STAMP vs POINT

温浴には、ポイントよりスタンプが向くこともある

会員証に載せる「貯まる仕組み」は、ポイントとスタンプのどちらにするかで迷います。ここは業態で向き不向きがはっきり分かれます。コンビニのように単価が低く来店が頻繁な業態は、金額に応じて細かく貯まるポイントが合います。一方、温浴施設のように1回の来店がある程度まとまった額で、来店の頻度は数週間に一度、というリズムの業態では、来るたびにハンコが一つ増えていくスタンプのほうが、お客様に「あと何回で特典」が目に見えて伝わります。貯まっている実感が持てるかどうかは、次の来店の動機に直結します。

ポイント制
貯まり方金額に応じて細かく
向く業態低単価・高頻度

1円単位まで細かく管理できる反面、いくら貯まっているかが実感しにくく、数週間に一度の来店では貯まる速度も見えにくくなります。

スタンプ制
貯まり方来店ごとに1つ
向く業態温浴・サウナ

来るたびハンコが増え、「あと何回で特典」が一目で分かります。まとまった単価・数週間に一度という温浴のリズムに合い、次の来店を促しやすくなります。

もちろん、両方を持たせて併用することもできます。館内利用の総額に応じたポイントを裏で貯めつつ、来店の実感はスタンプで見せる、という二本立ても可能です。ただ最初から欲張らず、まずは温浴のリズムに合うスタンプで走らせ、必要になったらポイントを足す──という順番のほうが、お客様にもスタッフにも分かりやすく着地します。

AUTO PAY

自動精算・無人化で、受け渡しの場面が消える

ここが、温浴施設で会員証を設計するときの一番の落とし穴です。入退場や精算を自動精算機やゲートで無人化した施設では、お客様がフロントの人を通りません。すると、これまで受付で自然に起きていた「クーポンを受け取る」「回数券を渡す」という対面の場面が、まるごと消えてしまいます。会員証やクーポンを用意しても、それを差し出す相手がいないわけです。無人化と会員施策は、何もしないとぶつかります。

解き方は、受け渡しを人からバーコードに移すことです。クーポンや回数券にバーコードを持たせ、お客様が自動精算機や入場ゲートにそれをかざすと割引が適用される、という流れに組み替えます。人が確認していた工程を、機械が読み取る工程に翻訳するわけです。設計のときは、施設の精算機や入場ゲートがどんなコードを読めるか(バーコードの種類・桁数)を先に押さえておくと、後戻りがありません。

DESIGN無人化した施設で、決めておくこと
クーポン・回数券にバーコードを付ける◯ 機械が読める形へ

対面での手渡しをやめ、自動精算機や入場ゲートがかざして読めるバーコードに載せます。人を介さず割引が効くので、無人でも会員特典が成立します。

使用完了画面を消してしまったとき△ 確認手段を用意

お客様が「使用済み」の画面を自分で閉じてしまう場面は必ず起きます。会員番号から利用状況を照会できるようにするなど、後から確認できる手段を導入時に決めておきます。

読み取り機器が対応するコード△ 事前に確認

精算機やゲートが読めるバーコードの種類・桁数を先に確認します。ここを合わせておけば、既存の設備を替えずに会員証・クーポンを差し込めます。

とくに二つめ、「お客様が使用完了の画面を消してしまったらどうするか」は、無人化した施設で必ず出る論点です。スマホの画面は簡単に閉じられますから、割引を使ったのかまだなのか、後から水掛け論になりかねません。会員番号で利用状況を照会できるようにしておけば、受付に人がいなくても事実を確認できます。導入前にこの逃げ道を用意しておくかどうかで、稼働後のトラブルの数が変わります。

NO ID

そもそも「個人が紐づかない」施設をどうするか

ALERT ─ 個人が特定できない三つの入口

サウナの券売機  現金購入で 誰が買ったか不明

宿泊のOTA予約  毎回 新規客あつかい で履歴が切れる

無人の自動精算  フロントを通らず 対面の記録なし

※ こうした施設は「ポイントを正確に貯める」より先に、スタンプ・クーポン・回数券で走らせるほうが破綻しない。

温浴施設には、そもそもお客様の個人を特定しにくい入口が複数あります。サウナ室や岩盤浴の券売機は現金で買えるので、誰が買ったかは記録に残りません。宿泊を併設した施設で外部の予約サイト(OTA)経由の予約が中心だと、同じ人が何度泊まっても管理システム上は毎回「新規のお客様」として入ってきて、履歴がつながりません。そこへ無人の自動精算が重なると、個人と来店を結びつける手がかりがほとんどなくなります。

こうした施設で、いきなり「金額に応じて正確にポイントを貯める」仕組みを目指すと、土台のデータがつながっていないので、どこかで必ず破綻します。順番が逆です。まずはスタンプ・クーポン・回数券の組み合わせで、個人を厳密に特定しなくても回る施策から走らせる。会員証で来店の回数さえ拾えれば、スタンプは成立します。クーポンは配って使われた数を見ればよく、回数券は買った人がその券で入ればよい。厳密な名寄せを前提にしない設計にしておくと、券売機やOTAで個人が途切れる施設でも、無理なく会員施策を始められます。データを正確につなぐ話は、その先の段階で考えれば十分です。

PLUS

会員証に、温浴ならではの付加価値を足す

会員証は「貯める・見せる」だけの道具ではありません。LINEのリッチメニューを入口にすれば、施設の情報をお客様の手元に届ける窓口にもなります。分かりやすい例が、混雑や設備の状況です。あるコインランドリーでは、洗濯機や乾燥機の稼働状況、つまり「あと何分で空くか」をLINEのメニューから見られるようにしていて、これを見た温浴施設の経営者が強く反応した、という話があります。会員証に、来店前に役立つ情報をひとつ乗せる、という発想です。

温浴施設なら、館内の混雑の目安、サウナのロウリュや整いイベントの時刻、その日の露天やサウナの温度、駐車場の空き具合など、来店の判断に効く情報はいくつもあります。会員証を配って終わりにせず、リッチメニューから「今の状況」が覗ける入口にしておくと、お客様が施設のLINEを開く理由が増えます。開く回数が増えれば、こちらから送るスタンプの案内やクーポンも自然と目に入る。会員証を軸に、来店前の付加価値まで足していくと、囲い込みの受け皿がぐっと厚くなります。

FAQ

よくある質問

Qいまの受付の順番(バンド→回数券→会員カード)は、変えなくて済みますか。

変えずに組めます。デジタル会員証は、既存の読み取りの順番に差し込むのが基本です。ロッカーのリストバンドを起点に、回数券、会員証と読む流れはそのままで、読む対象が紙からスマホの画面に替わるだけ。スタッフに新しい手順を覚え直させる必要はありません。

Q紙の回数券を、そのままデジタルにできますか。

できます。受付で販売し、入場のたびに読んで1回分を消し込む仕組みは同じで、紙をスマホ表示のバーコードに置き換えます。版下の管理・在庫・刷り直し・紛失対応といった紙ならではの手間が消え、価格や有効期限も設定変更だけで直せます。

Q貯まる仕組みは、ポイントとスタンプのどちらがいいですか。

数週間に一度、ある程度まとまった単価で来店する温浴施設は、スタンプが向くことが多いです。来るたびハンコが増え「あと何回で特典」が目に見えるため、次の来店につながりやすくなります。両方を併用することもできますが、まずスタンプで始めるのが分かりやすい着地です。

Q入退場を自動精算機で無人化しています。クーポンや回数券は使えますか。

使えます。フロントを通らない分、手渡しの場面が消えるので、クーポンや回数券にバーコードを持たせ、自動精算機や入場ゲートにかざして割引を効かせる形に組み替えます。事前に、精算機が読めるバーコードの種類・桁数を確認しておくとスムーズです。

Qお客様が「使用済み」の画面を消してしまったら、確認できますか。

会員番号から利用状況を照会できるようにしておけば確認できます。無人化した施設では、この画面が閉じられる場面が必ず起きるため、後から状況をたどれる手段を導入時に決めておくことが、稼働後のトラブルを減らすうえで重要です。

Qサウナの券売機や外部予約サイトが中心で、個人が特定しにくいのですが。

その場合は、金額に応じた正確なポイントより先に、スタンプ・クーポン・回数券の組み合わせで始めるほうが破綻しません。厳密な名寄せを前提にせず、来店の回数さえ拾えれば成立する施策から走らせ、データをつなぐ話は次の段階で考えれば十分です。

SUMMARY

機能ではなく、受付の動線から決める

温浴施設の会員証は、機能の多さより「受付の動線に馴染むか」で決まります。リストバンドを起点に、回数券・会員証と読む既存の順番を崩さず、その流れの中にデジタルを差し込む。貯まる仕組みは、温浴のリズムに合うスタンプから。自動精算で無人化した施設は、受け渡しをバーコードに移し、使用済み画面を消されたときの確認手段まで用意しておく。券売機やOTAで個人が途切れる施設は、名寄せを前提にしない施策から始める。この順で組めば、現場が止まりません。

いまの受付で会員カードや回数券をどんな順番で読んでいるか、精算は有人か自動精算機か、そして貯める仕組みをスタンプ・ポイントのどちらで考えているか──この三つを教えていただければ、御施設の動線に合う会員証の組み方をその場でお答えします。仕組みの詳細はL会員証のサービスページにまとめています。設備を替える前に、まず自分の施設の受付でどう動くかだけ先に描いておくと、判断がぐっと早くなります。業種を問わない基本の仕組みは、LINE会員証とは何かの記事にまとめています。

受付の読み取りの順番と、精算が有人か自動精算機かを教えていただければ、御施設の動線に合う会員証・回数券・スタンプの組み方を無料でお答えします。
無人化した施設でのクーポン設計のご相談も承ります。

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