ジム・エステ・習い事のLINE会員証|継続率と休眠を、来店の見える化で立て直す

ジム・エステ・習い事のLINE会員証 ─ 継続率と休眠を、来店の見える化で立て直す
「そういえば、あの方ずっと来てないですね」。こういう会話は業種問わず多くあります。言われて調べてみると、その会員は3か月近く顔を出していませんでしたということも。退会の連絡はないので、名簿の上では在籍したまま。けれど足は遠のき、そのうち「もったいないから」と静かに退会の電話が来る──会員制・回数制のビジネスで、じわじわ効いてくるのがこの手の離脱です。派手な失敗ではないぶん、気づいたときには手遅れ、ということが起こります。
ジム、ヨガ、エステ、整体、各種スクールやパーソナル指導。こうした「通ってもらってこそ」のビジネスでは、新規を集める以上に、いま通っている人に通い続けてもらうことが売上を支えます。この記事では、LINE会員証を「継続率」と「休眠会員」の視点から掘り下げます。どんなお店にも会員証は配れますが、会員制・回数制の業態には、物販のお店とは別の使いどころがあります。中心になるのは、誰が続いていて誰が離れかけているのかを見えるようにすること。読み終えたときに、自分のお店の会員証を「配って終わり」から「続けてもらう道具」へ変える道筋が描ける状態を目指します。
会員制の業態は、そもそも会員証の使い方が違う
ジムやエステ、教室のような業態は、物販のお店と一つ大きく違うところがあります。会計のたびに商品バーコードを通すレジ(POS)を、そもそも持っていないことが多いのです。会費は口座振替やクレジットの継続課金、回数券は現金や事前決済──来店のたびに「いくら買った」が発生するわけではないので、購入金額に応じてポイントを付ける、という物販型のやり方がそのまま当てはまりません。個人と決済が一件ずつ紐づきにくいぶん、金額ベースの仕組みは相性が悪いわけです。
その代わり、こうした業態のLINE会員証は身軽に組めます。レジ連携を前提にしないので、会員証システムのデータは店側のPOSではなくWeb側に持ち、来店時は管理画面から特典を付与するか、会員本人にスマホで会員証を提示してもらう運用が取れます。金額に応じたポイントより先に、まず向くのはスタンプ・クーポン・回数券の組み合わせです。「通った回数」を軸にした設計のほうが、この業態の日々の動きにぴったり合います。下の3つが、その基本の道具立てです。
来店1回につき1つ。「10回で1回無料」のように、金額ではなく通った回数にごほうびを付けられます。会費制でも回数制でも、通い続ける動機をつくれます。
「期間中◯回まで」のような回数制限つきの割引もLINEで再現でき、使われた回数も数えられます。しばらく来ていない方の背中を押す一手に使えます。
10回券・都度券などをLINEで持たせ、来店時に消し込みます。紙のチケットの紛失や持参忘れがなくなり、残り回数もスマホで確認できます。
回数券まわりの作り方や、前払いを預かるときに気をつけたい点(資金決済法など)は話が広がるので、ここでは深入りせず別の記事にゆずります。この記事で掘り下げたいのは、その手前にある「誰がちゃんと通えていて、誰が離れかけているのか」を見えるようにする部分です。道具を用意しても、使われ方が見えなければ手の打ちようがありません。次の章が、この記事のいちばんの中心になります。
来店の「見える化」が、いちばん効く
最終利用日 会員証を開いた瞬間に 自動で記録
常連度 来店ポイントの累計で ランク判定(売上を出さずに)
離れかけ 最終利用日を並べれば ひと目でわかる
※会員数や継続率の絶対値は業態と客数しだい。ここは「同じ会員を、どれだけ取りこぼさず追えるか」の話です。
会員制ビジネスで会員証がいちばん力を発揮するのは、割引でもポイントでもなく、この「見える化」です。LINE会員証では、会員データに「最終アクセス日」という項目があり、会員が自分の会員証の画面を開いたときに更新されます。来店時にその画面のバーコードを読み取る運用にしておけば、この最終アクセス日が、実質的に「最後に来た日」として使えます。冒頭のパーソナルジムのように「言われるまで気づかなかった」を防げるのは、この一項目のおかげです。管理画面で最終利用日の古い順に並べれば、離れかけている会員が上から順に並びます。
もう一つ役に立つのが、常連度の見え方です。ジムやエステでは、一人ひとりの売上を細かく外に出したくない、あるいは決済が別システムで会員証側から金額が見えない、ということがよくあります。それでも、来店のたびに付く来店ポイントの累計取得数を使えば、「この人は何回通ってくれているか」で会員ランクを判定できます。金額データを一切出さなくても、通った回数だけで常連さんとたまにの人を色分けできるわけです。誰を大事にすべきか、誰が離れかけかが、日々の来店の記録から自然に浮かび上がってきます。
休眠会員の掘り起こしは、配慮とセットで
離れかけの会員が見えるようになると、次にやりたくなるのが「しばらく来ていない人へのお声がけ」です。LINEなら、来店間隔が空いた会員をしぼって案内を送れます。ただ、ここには一つ気をつけたい落とし穴があります。来店の頻度だけを見て機械的に「離反しかけている」と決めつけると、かえって逆効果になることがあるのです。実際、「毎月は来られないけれど、自分では続けているつもり」という会員に、離脱者あつかいの案内が届いてしまい、気分を害された、という例があります。会員制のサービスには、その人なりのペースがあります。
ですので、掘り起こしは「送る・送らない」の線引きと、案内の言い方の両方をていねいに決めるのがコツです。下の表のように、やることと、その裏で気をつけることをセットで持っておくと、現場が迷いません。
「前回から◯か月」を目安に対象を出し、まとめて案内を送れます。ただし線引きは業態のペースに合わせて。毎日来るジムと、月1回のフェイシャルでは「空いた」の意味が違います。
「もう来ないつもりですか」と読める文面は逆効果になりがち。続けているつもりの人を遠ざけます。責める調子ではなく、「また待っています」という温度で送るのが安全です。
「今月中に使える体験1回ぶん」のように回数を区切った特典をLINEで配れ、使われた回数も数えられます。反応の有無が見えるので、次の案内の精度も上がります。
掘り起こしの一手として使いやすいのが、回数制限つきのクーポンです。「期間中◯回まで」といった条件をLINE上で再現でき、しかも使われた回数がカウントされます。しばらく来ていない方に「今月使える一回ぶん」を届け、実際に何人が反応したかを数字で追えるので、送りっぱなしになりません。反応がなかった相手には、間を置いて別の切り口で、という調整もできます。案内は「離脱を止める」ためだけでなく、続けている人の背中をそっと押すためにも効きます。強く売り込むより、思い出してもらう温度がちょうどよいことが多いです。
回数券・チケットは「目の前で」消し込む
回数制のお店で毎日使うのが、回数券・チケットの消し込みです。ここには現場を守る鉄則が一つあります。券を使うときは、会員が家で先に押すのではなく、来店してスタッフの目の前で「使用する」を押してもらうことです。お客様が事前に自分で押してしまうと、来店前に一回ぶんが消えてしまい、いざ受付でトラブルになります。目の前で押す運用にしておけば、残り回数の食い違いが起きず、双方が同じ画面を見て確認できます。紙の回数券にありがちな「持ってくるのを忘れた」「どこかに紛れた」もなくなります。
お金を前もって預かる回数券やチケット、たとえば高額なコースの前払いぶんなどは、消し込みにワンタイムQRや確認コードを使う、より慎重なやり方が向きます。誰かが勝手に消せない形にしておくためです。このあたりの券種ごとの作り分けは、それだけで一本の話になるので、ここでは触れるにとどめ、詳しくは回数券の記事にゆずります。この記事の主役はあくまで、その券が「ちゃんと使われ続けているか」を見える化して、続けてもらうところにあります。
入口は、来店前の見込み客にも開ける
会員制ビジネスのもう一つの悩みは、体験や見学に来た人が、その一回きりで終わってしまうことです。ここでもLINEが効きます。多くの人は、まだ通っていないお店でも「友だち追加」には抵抗がありません。買い物や来店の前でも気軽に登録してくれるので、体験レッスンや無料カウンセリング、見学の場でLINEを案内すれば、その場では入会に至らなかった人ともつながりを残せます。チラシやWeb広告の受け皿をLINEにしておけば、来店前の見込み客を友だちとして先に抱えられるわけです。
入口を広げておくと、後々の一手が打ちやすくなります。体験だけで帰った人に、後日キャンペーンの案内を一通送る。見学者に、入会特典の締め切りをそっと知らせる。こうした「あと一押し」は、連絡先が残っていて初めて成り立ちます。会員証は入会した人のためのもの、と思われがちですが、実際には入会前の見込み客をつなぎとめる入口としても働きます。新規の獲得と、既存の継続。その両方を一つのLINEの中でつなげられるのが、この業態での強みです。
見える化を始めるまでの流れ
LINEに会員証を用意する
お使いのLINE公式アカウントに会員証機能を組み込みます。予約や顧客の管理を別システムでしていても、そちらはそのまま。会員証は独立して動くので、大がかりな連携工事はいりません。
スタンプ・クーポン・回数券を決める
金額ではなく「回数」を軸に、通う動機になる特典を設計します。会費制ならスタンプ中心、回数制なら回数券中心、というように業態に合わせて組み合わせます。
来店時に会員証を開いてもらう
受付でスマホの会員証を提示・読み取り。この一動作で最終利用日が更新され、来店の記録が残ります。回数券なら、この場で目の前で消し込みます。
管理画面で常連度と離れかけを見る
来店ポイントの累計で常連度を、最終利用日の並べ替えで離れかけの会員を確認します。売上データを出さなくても、通った回数だけで会員の様子がつかめます。
配慮のある案内で掘り起こす
間隔が空いた会員へ、責めない温度で一声。回数制限つきクーポンなら反応も数えられます。頻度だけで決めつけず、その人のペースを尊重した文面を心がけます。
この流れの良いところは、どこから始めても効果が積み上がることです。まずは会員証を配って最終利用日が記録されるようにするだけでも、「誰が来ていないか」が見えるようになります。掘り起こしの案内はそのあとで始めればよく、最初から完璧な設計を用意する必要はありません。小さく始めて、見えてきたものに合わせて特典や案内を調整していく。会員制のビジネスほど、この積み上げが継続率にじわじわ効いてきます。
よくある質問
Qうちのジムにはレジ(POS)がありません。LINE会員証は使えますか。
使えます。会員制の業態はPOSを持たないことが多いため、会員証システムはWeb側でデータを持ち、来店時は管理画面から特典を付与するか、会員にスマホの会員証を提示してもらう運用になります。レジ連携を前提にしないぶん、身軽に始められます。
Q売上のデータを外に出さずに、常連さんを見分けられますか。
できます。来店のたびに付く来店ポイントの累計取得数を使えば、「何回通ってくれたか」で会員ランクを判定できます。金額データを一切出さなくても、通った回数だけで常連さんとたまにの方を色分けできます。
Qしばらく来ていない会員は、どうやって見つけますか。
会員が会員証の画面を開くたびに更新される「最終アクセス日」を、来店時の読み取りとあわせて実質の最終利用日として使います。管理画面で古い順に並べれば、離れかけている会員がひと目でわかります。
Q休眠会員への案内で、気をつけることはありますか。
来店の頻度だけで「離反」と決めつけないことです。毎月は来なくても続けているつもりの方に、離脱者あつかいの文面が届くと逆効果になりがちです。責める調子ではなく「また待っています」という温度で、業態のペースに合わせて送るのが安全です。
Q回数券はLINEで持たせられますか。前払いのトラブルが心配です。
持たせられます。来店時にスタッフの目の前で「使用する」を押してもらう運用にすれば、残り回数の食い違いが起きません。お金を前払いで預かる券は、勝手に消せないようワンタイムQRや確認コードを使う形が向きます。券種ごとの作り分けは回数券の記事で詳しく扱っています。
Qまだ入会していない体験・見学の人も、登録できますか。
できます。多くの人はまだ通っていないお店でも友だち追加には慣れているため、体験レッスンや見学の場でLINEを案内すれば、その場で入会に至らなかった方ともつながりを残せます。後日の案内で「あと一押し」がしやすくなります。
続けてもらうための、会員証
いまお使いの予約・顧客管理の仕組みと、会員証で何をいちばん立て直したいか(継続率を上げたい、休眠を減らしたい、体験からの入会を増やしたい、など)を教えていただければ、どこから手をつけるとよいかをその場でお答えします。会員制ビジネスでの具体的な組み方はL会員証のサービスページにまとめています。まずは「誰が離れかけているか」が見える状態をつくる。そこから始めるだけでも、継続率の景色は変わってきます。業種を横断した基本の考え方は、LINE会員証とは何かの記事をご覧ください。
お使いの予約・顧客管理システムと、いちばん立て直したいこと(継続率・休眠・体験からの入会)を教えていただければ、始め方を無料でお答えします。
ジム・エステ・整体・習い事など、業態に合わせた設計のご相談も承ります。