LINE会員証とは?仕組み・できること・費用・導入までを、まとめて解説

LINE会員証とは?仕組み・できること・費用・導入までを、まとめて解説
「会員証をスマホにしたい。でもアプリを作るのは大がかりだし、紙のカードは持ち歩いてもらえない」。来店型のお店から、この手のご相談が年々増えています。その受け皿としていま広がっているのが、LINEの中に会員証を持たせる「LINE会員証」です。この記事は、LINE会員証とは何か、どういう仕組みで動き、何ができて、いくらかかり、どう導入するのかを、一度にまとめて見渡せるようにした総まとめです。それぞれの話題は、より詳しい記事へのリンクも置いておくので、はじめての方は上から順に、検討中の方は気になったところから、深掘りしてみてください。
- LINE会員証とは何か
- どういう仕組みで動くのか
- できること(機能の全体像)
- なぜLINEなのか(メリット)
- 注意点・向かない場合
- 導入までの流れ
- 費用の目安
- どんな業種で使われるか
LINE会員証とは
LINE会員証とは、お店の会員証(バーコードや会員番号)を、専用のカードやアプリではなく、LINEの中に表示する仕組みです。お客様は公式アカウントを友だち追加し、メニューから会員証をタップするだけ。画面にバーコードが出て、それをレジで読めば、これまでのカードとまったく同じように会員を呼び出せます。新しいアプリをインストールする必要はなく、氏名や住所を入力させる画面もなくせるので、登録のハードルが一気に下がります。
ポイントは、会員証を「持ち物」から「毎日開くLINEの中の一機能」に移すこと。財布から物理カードを探して出す手間も、専用アプリをわざわざ開く手間もなくなります。小売、飲食、サロン、整骨院、温浴施設、学習教室まで、会員を管理しているお店なら業種を問わず同じ考え方で使えます。
背景には、生活の変化があります。ちょっとした外出はスマートフォンだけ、という人がすっかり増え、財布から物理カードを取り出す場面そのものが減りました。会計のときに「会員証はお持ちですか」と聞いても、カードは家に置いたまま、というのが当たり前になっています。かといって、店ごとに専用アプリを入れてもらうのは、お客様にとってもお店にとっても負担が大きい。そこで、多くの人がすでに毎日使っているLINEに会員証を載せてしまおう、という発想が広がってきた、というわけです。
どういう仕組みで動くのか
仕組みは、思っているよりずっとシンプルです。LINE会員証は、会員証システムがお客様ごとに発行したバーコードを、LINEの画面に表示しているだけ。そのバーコードを、お店の今あるレジ・POSのスキャナーで読み取ると、レジ側では従来の会員カードを読んだのと同じ番号が入り、いつものように顧客が呼び出されます。レジのプログラムには一切手を入れません。バーコードの規格を、お使いのレジが読める形式(JANやCODE39、NW-7など)に合わせて生成しておくのがコツです。
だから「メーカーを問わず、今のレジのまま始められる」のが大きな特徴です。スキャナーが付いていないレジでも、読み取り機を後付けすれば対応できます。バーコードの規格や番号の設計についてはバーコード規格の選び方で、レジと連携させる具体的な手順はレジ連携で導入する方法で詳しく説明しています。
「LINE公式アカウント」と「会員証システム」の関係
ここで一つ、混同しやすい点を整理しておきます。LINE会員証は、大きく二つの要素でできています。土台になるのが、お店が無料でつくれるLINE公式アカウント。友だちに向けてメッセージを送ったり、クーポンやスタンプカードを配ったりできる、LINEの標準の仕組みです。ただし、これだけでは「誰が会員番号の何番か」を店側で扱えず、特定の一人に連絡することもできません。
そこに乗せるのが会員証システムです。レジの会員番号と一人ひとりを紐づけ、番号でお客様を呼び出したり、その方だけにメッセージを送ったり、ポイントや回数券を管理したりできるようにします。つまり、LINE公式アカウントという土台の上に、会員証システムという機能を足す、という関係です。無料の標準機能でどこまででき、どこから会員証システムが必要になるかは無料でどこまでできるかの記事とショップカードとの違いの記事で切り分けています。
できること(機能の全体像)
LINE会員証は「デジタルの会員証」ですが、できることは会員証の提示だけではありません。会員がLINEに紐づくことで、これまで別々だった販促や顧客管理を、ひとつにまとめられます。主な機能を並べると次のようになります。
画面のバーコードをレジで読むだけで会員を呼び出し。カードを忘れても、スマホさえあれば会員証が出ます。
来店ポイントやスタンプで再来店を促せます。付与のルールや向き不向きはポイント設計の記事へ。
友だち追加特典や期間クーポンで登録と来店を後押し。設計はキャンペーンの作り方へ。
全員への一斉ではなく、来店で出し分けたり、特定の一人に連絡したり。詳しくはセグメント配信の記事へ。
紙の回数券をデジタル化し、来店前に売ることも。仕組みは回数券のデジタル化へ。
これらを別々のツールで抱えると、お客様は「あれもこれも登録して」で混乱し、スタッフも案内しきれません。会員証を入口にひとつにまとめると、たとえば会計でお客様を呼び出したその流れで、仕上がりや予約の確認をLINEで個別に送る、といったことが自然にできます。全部を一度に使う必要はありません。まずは会員証とポイントだけ、慣れてきたら配信や回数券を足す、と段階的に広げていけるのも、この仕組みの扱いやすいところです。
なぜLINEなのか(メリット)
会員証をデジタルにする方法は、専用アプリや個別開発などいくつもあります。その中でLINEが選ばれる理由は、突きつめると「会員が増えやすく、しかも届く」からです。専用アプリは、インストールという最初の壁があり、届いたお知らせも開かれにくいのが実情です。LINEは友だち追加だけで登録が済み、家族や友人との連絡で毎日開くツールなので、お店からのメッセージも自然と目に入ります。
登録のハードル アプリ DLの壁 / LINE 友だち追加だけ
お知らせの開封 アプリ 低め / LINE 大きく上回る
見込み客 アプリ 来店客のみ / LINE 来店前でも登録可
※会員数の絶対値は客数で決まります。ここは「同じ客数でどれだけ登録・到達するか」の差です。
登録が簡単で到達率が高いぶん、同じ客数でも会員の母数が伸びやすく、配信やクーポンの届く相手を短期間でつくれます。加えて、物理カードの発行費や在庫、紙のDMの郵送費といった「見えていた費用」も、LINEに移すことでまとめて軽くなります。方式ごとの違いは導入方式の比較で、会員を増やす店頭の工夫は店頭で登録を増やす方法でまとめています。
もちろん、専用アプリやミニアプリ、要件に合わせた個別開発にも、それぞれの良さがあります。決済や独自機能まで作り込みたい大規模な事業者であれば、そうした方式が向く場面もあります。ただ、その多くは初期費用が大きかったり、審査や開発に時間がかかったり、そもそも会員が集まりにくかったりします。「まず会員の母数をつくり、手応えを見てから広げたい」という多くのお店にとっては、今のレジのまま小さく始められるLINE会員証が、いちばん後戻りの少ない入口になります。同じ「LINEで会員証」でも仕組みが違うミニアプリとの違いはミニアプリとの違いの記事で、二者択一ではなく既存のアプリと併用する考え方は導入方式の比較で扱っています。あわてて大きな投資を決める前に、自店に合う方式を見極めるところから始めるのがおすすめです。
注意点・向かない場合
良いことばかりではありません。先に申し上げておくと、標準の仕組みでは難しいこともあります。たとえば、個人のLINEに紐づくため、家族で1枚の番号を共有する使い方はそのままでは再現できません(ご家族それぞれが登録する形になります)。レジのポイント残高を会員証に表示するような深い連携は、お使いのシステムの提供元との相談になり、対応できないこともあります。こうした「できること・できないこと」はデメリットと向かない店の記事で正面から整理しています。
業種にも向き不向きがあります。来店頻度がごく低い業態や、すでに強い予約・顧客基盤が業界に浸透している業種では、効果が出にくいこともあります。自店が向くかどうかは業種適性ガイドが判断材料になります。なお、個人情報の扱いを心配される声も多いのですが、LINE会員証は氏名や住所の入力を必須にしない設計にでき、画面に出るのはLINEの登録名と会員番号だけです。詳しくは個人情報の記事をご覧ください。
導入までの流れ
導入は大がかりではなく、決めてからおおよそ1か月で始められます。ざっくりとした流れは次のとおりです。
方針を決める
会員証で何をしたいか(会員を増やす・配信を届ける・ポイントや回数券を運用する)と、番号を引き継ぐか新しく振るかを決めます。方式の比較が参考になります。
LINEに会員証を用意する
会員証をLINE側に立ち上げます。すでに公式アカウントがあれば、友だちを引き継いだまま機能を後付けできます。詳細は後付け導入の記事へ。
店頭で案内する
レジ横にQRコードのPOPを置き、会計時に未登録の方へ一声かけます。既存のカードからの移し方は移行の記事にまとめています。
運用に乗せる
閑散期に始めてスタッフが操作に慣れておくのが理想です。かかる期間の目安は導入期間の記事へ。
費用の目安
費用は、会員証システムの初期費用・月額に加えて、LINE公式アカウント側の配信費用(一定の無料枠があり、配信数が増えると月額プランになります)で構成されます。逆に、これまでかかっていた物理カードの発行費や紙のDM代は消えていくので、月額の数字だけでなく「総額」で見ると印象が変わります。無料でどこまでできるかは無料の範囲の記事、料金の内訳と考え方は費用相場の記事で詳しく扱っています。
比べるときのコツは、システムの月額単体ではなく、いま会員まわりにかけている費用を一度書き出してみることです。カードの発行と在庫、季節ごとのDMやハガキの郵送費、案内の電話にかかる手間。これらの一部がLINEに置き換わると、増えるコストと消えるコストが相殺され、思っていたより負担は軽くなることが少なくありません。会員が増えても販促のコストが比例して膨らまない、という点も、続けるほど効いてきます。
どんな業種で使われるか
会員を管理している来店型のお店であれば、業種を問わず使われています。多店舗のチェーンでは、全店で会員基盤をまとめて、店舗ごとの来店を横断して見る使い方もできます(多店舗で統一する方法)。温浴施設のように受付の動線が独特な業態では、その流れに合わせて組みます(温浴施設のLINE会員証)。ジムや習い事のような会員制・回数制のビジネスでは、継続率や休眠の把握に効きます(会員制ビジネスの記事)。共通しているのは「顧客管理があり、来店のたびに会員を呼び出す場面がある」こと。そこにさえ当てはまれば、仕組みはそのまま通用します。逆に、自店の来店の仕方に合うかどうか迷うときほど、先に業種適性を確かめてから動くと、遠回りせずに済みます。
よくある質問
QLINE会員証を使うのに、お客様はアプリを入れる必要がありますか。
必要ありません。お客様はLINEの公式アカウントを友だち追加し、メニューから会員証をタップするだけです。会員証はLINEの中で開くWeb画面なので、新しいアプリのインストールは不要です。
Q今使っているレジのままで導入できますか。
会員バーコードが読めるレジ・POSであれば、メーカーを問わず使えます。バーコードの規格を、お使いのレジが読める形式に合わせて生成するだけで、レジのプログラムには手を入れません。スキャナーがなければ後付けで対応できます。
Q紙のカードや専用アプリからの乗り換えはできますか。
できます。番号を引き継ぐか、この機会に振り直すかを選べ、来店したお客様から順に少しずつ切り替わっていくので、まとまった移行作業は発生しません。詳しくは移行の記事をご覧ください。
Q会員証以外に、どんなことができますか。
来店ポイントやスタンプ、クーポン、来店で出し分けるセグメント配信、特定の一人への個別連絡、回数券の販売と消込などができます。会員証を入口に、販促と顧客管理をひとつにまとめられるのが特徴です。
Q導入までどれくらいかかりますか。
審査が不要なため、決定からおおよそ1か月で始められます。友だちが増える繁忙期の前の閑散期に導入し、スタッフが操作に慣れた状態で繁忙期を迎えるのが理想です。
Q個人情報はどこまで見えますか。
氏名や住所の入力を必須にしない設計にでき、会員証の画面に出るのはLINEの登録名と会員番号だけです。住所や本名は表示されず、詳しい顧客情報は従来どおりレジ側でのみ管理します。
もっと詳しく ─ 主題別の記事一覧
ここまでが全体像です。以下は、それぞれの論点を掘り下げた記事です。いま検討している段階に近いところから読んでください。
まとめ ─ まず、母数をつくる会員証から
自店で始めるとどうなるか、いまのレジ・POSで使えるか、費用はいくらになるか。具体的なところは、状況をお聞きすればその場でお答えできます。仕組みの全体像はL会員証のサービスページにまとめています。
LINE会員証「L会員証」は、今のレジのまま・アプリ不要で始められます。
自店で使えるか、費用はいくらか、無料でお答えします。