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LINE配信は誰に何回送ればいいのか|対象と頻度を数字で決める判断基準

DECIDEWHO & HOW OFTEN

LINE配信は、誰に何回送ればいいのか ─ 対象と頻度を「数字」で決める

上位半分に絞る 来店サイクルから逆算 送る前に人数を確かめる

「配信って、どのくらいの頻度で出すのが正解なんでしょうか」「全員に送るべきか、絞るべきか」——LINE会員証を導入したお店から、必ずと言っていいほど出る質問です。ところが答えを探しても、出てくるのは「セグメントしましょう」「送りすぎに注意」といった一般論ばかり。肝心の「どこで線を引くか」が書かれていないので、結局いつも全員に送ってしまう、という状態になりがちです。

この記事は、その線の引き方に絞って書きます。扱うのは①送る相手をどこで切るか、②何回送るか、③送る前に何を確かめるかの三つ。小売・飲食・サロン・整体・歯科・スクール・温浴など、会員証を配っているお店であれば業種を問わず同じ手順で決められます。数字は自店のデータから出しますので、電卓と、レジ・POSや予約システムの集計画面をご用意ください。

ANSWER

結論:対象は「上位半分」、頻度は「来店サイクル」から決まる

先に結論を書きます。配信の設計は、次の二つを決めれば大枠が固まります。

WHO

送る相手

年間の利用額で並べて、上位のおよそ半分。ここを押さえれば売上の大半に届きます。

AND両方決める
HOW OFTEN

送る回数

お客様の来店サイクルより細かくしない。次に来る機会がないのに送っても行動に変わりません。

THEN送信前に
CHECK

事前の確認

対象が何人になるかと、その月にあと何通送れるかを、送信ボタンの前に確かめます。

この二つを外すと、どれだけ配信の中身を工夫しても効きません。逆にここさえ決まっていれば、内容は季節の案内程度でも十分に来店につながります。順番に見ていきます。

CUT LINE

1. 全員には送らない ─ 上位半分で、売上の大半に届く

会員名簿には、年に何度も使ってくださる方から、一度きりで数百円だけの方までが同じように並んでいます。この全員に同じ案内を送るのは、コストの面でも、受け取る側の感じ方の面でも割に合いません。

実際に、ある店舗で年間の利用額を並べて集計したところ、こういう数字が出ました。年間の利用額が数千円に満たない会員を配信対象から外すと、対象人数はおよそ半分に減る。ところが売上ベースで見ると、残した半分で全体の75%ほどをカバーできていた——つまり、人数を半分にしても、売上の4分の3には手が届いていたことになります。

CUT LINE ─ ある店の実測

配信対象  人数 ▼ 約50% / 売上カバー 約75%

※1社の実測値です。比率は業種・客層で変わるため、自店の数字で確かめてください。

大事なのは「数千円」という金額そのものではありません。この金額は業種によってまったく違います。客単価が数百円の飲食店と、一回数万円のサロンやリフォーム業では、同じ「年間3,000円」の意味が正反対になります。ですから、金額を真似るのではなく、並べ方の手順が重要です。

1

会員を年間利用額で並べる

レジ・POSや予約システムの集計から、直近1年の会員別の利用額を書き出します。多くのシステムでCSVに出せます。並び替えるだけなので、表計算ソフトで十分です。

2

上から順に足していく

利用額の多い順に並べ、上から累計を取ります。全体の売上の75%に達したところが何人目か——そこが最初の候補線です。

3

その人数に対応する金額を読む

候補線にいる会員の年間利用額が、そのまま自店の足切りラインになります。「年間◯円以上の方に送る」という基準がここで決まります。

4

切り捨てた側の扱いを決める

外した層は「送らない」ではなく「頻度を落とす」のが現実的です。年に数回だけ、来店のきっかけになりやすい内容に絞って届けます。

もうひとつ、絞ることの意味が業種で変わる点にも触れておきます。紙のDMやショートメッセージのように1通ごとに費用がかかる手段では、絞ることが直接コスト削減になります。年に一度しか来ず、数百円しか使わない方に1通数十円のハガキを出すのは、どう計算しても合いません。一方LINEは契約した通数の範囲内であれば、送る相手を増やしても追加料金はかかりません。だからLINEでは、絞る目的がコストではなく「関係のない通知を届けない」ことに変わります。同じ「絞る」でも狙いが違うので、ここは混同しないでください。

AVERAGE

2. 「平均◯回」で設計してはいけない

配信を設計するとき、多くの方がまず平均来店回数を見ます。「うちのお客様は年に平均2回くらいだから、配信も年2回でいいか」といった具合です。これは、ほぼ確実に間違った設計になります。

ある店で1人あたりの年間来店回数を計算すると、平均は2.2〜2.3回でした。ところがこの数字に当てはまるお客様は、実はほとんど存在しません。中身を開けると、毎週のように出す方が9回、10回と来ている一方で、年に1回きりの方が非常に多く、その大量の「1回」が平均を引き下げていただけでした。「平均2.2回のお客様」という人物像は、名簿のどこにもいなかったわけです。

AVERAGE ─ 平均が実態を隠す

平均    年 2.2回 ← この人は名簿にいない

実際の中身 年1回が大量 + 年9〜10回が少数

※平均ではなく分布を見る。設計はこの二つの層それぞれに対して行う。

この構造は業種を問いません。飲食店なら常連と一見客、サロンなら定期の方と単発の方、歯科なら定期検診の方と痛くなったときだけの方。どの業種でも、来店頻度は「二つの山」になりやすく、平均はその谷間を指しています。やるべきことは、平均で一つの設計を作ることではなく、層ごとに違う設計を用意することです。よく来る層には来店の間隔に合わせた案内を、年に一度の層には思い出してもらうための案内を。同じ内容を同じ頻度で送る理由は、どこにもありません。

FREQUENCY

3. 頻度は、来店サイクルから逆算する

次に回数です。前提として、配信の頻度が上がるほどブロックは増えます。これははっきりした傾向で、週に1回送るお店より月に1回のお店のほうがブロックは少なく、毎週配信している店では受け手の一定割合が離脱していきます。ただし「少なければいい」わけでもありません。送らなければ、そもそも思い出してもらえません。

判断の軸になるのはお客様の来店サイクルです。次に来る機会が半年先の人に毎週案内を送っても、行動に変えようがない。逆に週に何度も来る業態なら、週1回の案内でも「関係のある通知」として受け取られます。配信は、来店の機会に紐づいて初めて意味を持ちます。

来店サイクル業種の例配信頻度の目安
週に複数回〜週1回飲食店・カフェ・食品小売・コインランドリー週1回まで
月に1回前後美容室・ネイル・整体・接骨院・エステ・スクール月2回程度
数か月に1回歯科(検診)・雑貨・スポーツ用品月1〜2回
年に1〜2回呉服・リフォーム・車検・眼鏡・寝具月1回以下+季節の節目
※目安です。実測の裏づけがあるのは「来店が数か月に1回の業種では月2回が上限」という点で、これは運用実感によるものです。他の行は同じ考え方から導いた設計の目安としてお読みください。

表を見ていただくと分かるとおり、ほとんどの業種で上限は「月2回」あたりに落ち着きます。そして重要なのは、この上限は業種で自動的に決まるものではなく、本当は「送る内容が受け手に関係あるかどうか」で決まるということです。頻度はその代理指標にすぎません。関係のある内容を出せるなら回数を上げてもブロックされにくいですし、毎回同じような割引案内なら月1回でも重く感じられます。回数を上げたくなったときは、その回数に見合う中身を用意できるかを先に確かめてください。

GRANULARITY

4. 細かく切りすぎない ─ まとまって取れる条件から

出し分けができるようになると、条件をどんどん細かくしたくなります。しかしセグメントは細かすぎると意味がなくなります。対象が十数人まで絞られた配信を何本も作るのは、手間ばかりかかって効果が見えません。効果が見えなければ続きませんし、続かなければ配信そのものが止まります。

始めるときは、まとまった人数が取れる切り口を三つほど用意すれば十分です。目安として、ひとつのグループが会員全体の1割を下回るなら、それは細かすぎます。

START HERE最初に用意する三つの切り口
よく使う層上位半分

年間利用額の上位。お礼を兼ねた案内や、先行のご案内を届ける相手です。ここが配信の主対象になります。

間隔が空いている層◯か月未利用

最後の利用から一定期間が空いた方。何か月で区切るかは来店サイクルに合わせます。年に1〜2回の業種で「3か月来ていない=離反」と判断すると、ほぼ全員が引っかかってしまいます。

使っていないメニューがある層未利用カテゴリ

あるカテゴリーは使うのに、別のカテゴリーは一度も使っていない方。その未利用のメニューだけを案内します。関係のある内容になるので、同じ回数でも受け取られ方が変わります。

この三つで回るようになってから、誕生月や地域など、必要に応じて足していってください。切り口の数は、運用が続く範囲に収めるのが結局いちばん効きます。

LIFETIME

5. 条件には「寿命」がある

意外と見落とされるのが、いちど作った配信グループ(タグ)をいつまで使えるか、という点です。作り置きして使い回せる条件と、放っておくと実態からずれていく条件があります。

作り置きできる
前年の利用額◯円以上
更新年1回で足りる

過去の実績で確定している条件は、対象が後から変わりません。一度作れば、その年のあいだ何度でも使えます。

作り直しが要る
新規客・◯か月未利用
更新半年ごとが目安

時間とともに該当者が増減する条件です。作ったまま使い続けると、途中で入会した方が対象から漏れ続けます。

実務では、「新規が増える条件は半年ごとに作り直す」と決めておくのが簡単です。カレンダーに入れてしまえば済みますし、これを怠ると「送っているのに新しいお客様にだけ届いていない」という、気づきにくい取りこぼしが起きます。

PRE-CHECK

6. 送信ボタンの前に、二つ確かめる

条件を作って内容を書いたら、送る前に必ず二つ確認してください。ここを飛ばすと、配信が途中で止まったり、想定と違う相手に届いたりします。

1

対象が何人になるかを展開して見る

配信前に対象を展開すると、そのグループに何人が含まれるかが表示されます。想定より極端に多い・少ないときは、条件の作り方かデータの取り込みを間違えています。ここで気づけば送り直しになりません。

2

その月に、あと何通送れるかを見る

LINE公式アカウントは契約プランごとに月間の配信可能通数が決まっています。残りの通数より対象人数が多いと、配信は途中で止まります。しかも上限に達して失敗した分は、後からプランを上げても自動では送り直されません。対象人数が残通数を超えていないか、送る前に必ず突き合わせてください。

特に二つ目は、会員が増えてきた時期に起きがちです。「配信したのに200人くらいで止まっている」という現象は、多くの場合この通数の上限です。会員数が増えたら、配信プランの見直しもセットで考えてください。

MEASURE

7. 効いたかどうかを、何で見るか

線を引いて送ったら、次は効果の確認です。ここでいちばん確実なのはクーポンの利用実績です。LINEのクーポンとして配ると、お客様が使用済みの操作をするため、「何人に配信して、何人が実際に使ったか」が実数で残ります。紙の販促では取れなかった数字なので、まずここを見てください。配信のたびにこの比率を記録していけば、どの内容が効いてどれが効かなかったかが数か月で見えてきます。

あわせて見られるのが、会員証が開かれた記録です。曜日別・時間帯別に集計すると、定休日の翌日に来店が集まる、休憩時間が谷になる、といった傾向が読めます。ただしこの指標には限界があります。会員証を開いた回数は来店とおおむね一致しますが、完全には一致しません。カードではなく電話番号でお客様を呼び出した場合は数に入りませんし、逆にお客様が店の外で会員証を開いた場合もカウントされます。来店の代理指標として見るには十分ですが、正確な来店数ではないという前提で扱ってください。

もう一点、配信の効果を判断するときに気をつけたいのが外部要因です。ある店舗で気象データとレジの売上を突き合わせたところ、雨の日は売上が十数%から20数%落ちるという相関が出ました(気温との相関は弱かったそうです)。天気や連休、給料日前後といった要因は業種を問わず効いてきます。配信の翌日が雨だったから伸びなかっただけ、ということは普通に起こります。1回の結果で内容の良し悪しを決めず、数回の平均で見てください。

FAQ

よくあるご質問

配信は、月に何回くらいが適切ですか?

お客様の来店サイクルによりますが、多くの業種で月2回あたりが上限の目安です。来店が数か月に1回という業種では月1〜2回、週に何度も来る飲食や食品小売なら週1回まで許容されます。回数が増えるほどブロックは増えるので、回数を上げるなら、その回数に見合う内容を用意できるかを先に確かめてください。

送る相手は、どこで線を引けばいいですか?

会員を直近1年の利用額で並べ、上から累計して全体の売上の75%に達する人数で切るのが出発点です。ある店舗の実測では、この線で対象人数が約半分に減り、売上ベースでは75%程度をカバーできていました。金額そのものは業種で大きく変わるため、必ず自店のデータで計算してください。

平均来店回数をもとに設計してはいけないのですか?

おすすめしません。来店頻度は「よく来る少数」と「年に一度の多数」の二つの山になりやすく、平均はその谷間を指すためです。ある店では平均が年2.2〜2.3回でしたが、実際には年1回の方が大量にいて平均を押し下げていただけでした。平均に合わせた設計は、どちらの層にも合いません。層ごとに分けて設計してください。

セグメントは細かく分けたほうが効果が出ますか?

細かすぎると逆効果です。対象が数十人まで絞られた配信を何本も作ると手間ばかりかかり、効果も見えません。ひとつのグループが会員全体の1割を下回るようなら細かすぎる目安です。まずは「よく使う層」「間隔が空いている層」「使っていないメニューがある層」の三つから始めてください。

一度作った配信グループは、そのまま使い続けられますか?

条件によります。「前年の利用額が◯円以上」のように過去の実績で確定している条件は、その年のあいだ何度でも使い回せます。一方「新規客」「◯か月未利用」のように時間とともに該当者が変わる条件は、放置すると新しく入会した方が対象から漏れ続けます。半年ごとに作り直すと決めておくのが簡単です。

配信したのに、途中で止まってしまいました。

その月の配信可能通数の上限に達している可能性が高いです。LINE公式アカウントはプランごとに月間の通数が決まっており、残りより対象人数が多いと途中で停止します。上限で失敗した分は、後からプランを上げても自動では送り直されません。配信前に対象人数と残りの通数を突き合わせる習慣をつけてください。

配信の効果は、どう測ればいいですか?

いちばん確実なのはクーポンの利用実績です。LINEのクーポンとして配ると使用済みの操作が記録されるため、何人に配信して何人が使ったかが実数で残ります。会員証が開かれた記録も参考になりますが、電話番号で呼び出した来店は数に入らず、店外で開いた場合もカウントされるため、正確な来店数ではない前提で扱ってください。また天候などの外部要因があるので、1回の結果ではなく数回の平均で判断してください。

配信は、中身を工夫する前に「誰に・何回」を決める。相手は年間利用額の上位半分、回数は来店サイクルより細かくしない。そして送信ボタンの前に、対象人数と残りの通数を確かめる。この三つが決まっていれば、案内の中身は季節のお知らせ程度でも来店につながります。逆にここが決まっていないと、どれだけ内容を練ってもブロックが増えるだけです。

誰にどう出し分けるか、その切り口そのものについてはこちらのコラム一覧にある配信セグメントの記事で詳しくご説明しています。本記事はその手前にある「線をどこに引くか」を扱いました。実際の抽出条件は、お使いのレジ・POSや予約・顧客管理システムで作れる範囲に左右されますので、お手元のシステムで何が取り出せるかが分かれば、具体的な条件までご一緒に設計できます。

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