WEBサイトのリニューアルは定期的に検討される定番の施策ですね。
サイトによっては、毎年必ずリニューアルしているものもあれば、数年間リニューアルせずに運用しているサイトもあり、タイミングは本当にバラバラだと思います。
リニューアルの時期や必要性はやはり個別かつ具体的に検討してく内容になります。
ただ、「リニューアル時に絶対にやってはいけないこと」というのは明確に存在します。
これは、我々WEB制作に携わる人間からすると当たり前に押さえているポイントであっても、意外と見過ごされたまま非常にもったいないリニューアルを実装されてしまうケースがありますので、この記事でご紹介させていただきます。
リニューアル時にやるべきことは本当に多くあります。
この記事ですべてをご紹介するわけではありませんが、特に重要なことだけを記載してければと思います。
リニューアル前のコンテンツを一括削除するケース
たまにお聞きする話で、「リニューアル前のコンテンツを一掃して、あらたに今の内容に合ったコンテンツを定期的に追加しましょう」という話が進んでしまうケースがあります。
こうなる背景としては、古い膨大な記事コンテンツをリニューアルサイトに移設するために必要なコストの問題もあったりします。
しかし、これは絶対に避けておきましょう。リニューアル前の大量な古いコンテンツは残すべきです。あるいは、古いページに残さないとしても、必ずリニューアル後のサイトに移設するべきです。
リニューアル前サイトの情報が多少古いコンテンツでも「重要な集客資産」です。
その重要な集客資産を自ら捨てる必要性は全くありません。むしろほとんどのケースにおいて逆効果となります。
過去に他の記事にもご紹介させていただきましたが、インターネットの強みの代表的なものの中に「アーカイブ性」があります。
つまり、ネットに上げた情報は消さない限りずっと残って集客力のサポートをしてくれる情報源であり続けるという意味ですね。
この場合ですと、リニューアルしたとたんに集客力が激減してしまう恐れがあります。
古いコンテンツ、部分的に情報が古くて今の最新情報に合わないコンテンツが多數あるとしても、そのリスクは許容するべきリスクです。
その代わりに対策方法として、「この情報は最終執筆日から1年以上が経過しています」などと古いコンテンツに関しては注釈を冒頭に入れるなどしておくという方法もあります。
リニューアル前コンテンツページのデザインが現行サイトと合わない場合
リニューアル前のコンテンツを残すと、デザイン的にリニューアル後のサイトイメージと合わないという問題もよくお聞きします。
リニューアル前サイトのコンテンツを管理しているCMSが何らかの理由でバージョンが上げられないためにデザイン面をリニューアルサイトに合わせられないという場合もありえます。
この点も、殆どのケースにおいて大きな問題にはなりません。
6割以上のサイトは検索経由でページを訪問します。
ユーザーはサイトの「デザイン性」ではなく「情報」を求めているため、デザインイメージが古いとしても大きなブランド毀損やイメージ低下にはなりません。
古いデザインのページであっても、有益な情報が掲載しているサイトの方が信頼性や価値が高いといえるでしょう。
そのため、リニューアルサイトに古いコンテンツページがそのまま残るパターンであっても大きな問題にはなりませんので、安心して可能な限りコンテンツを残しましょう。
URLが変わる場合は必ずリダイレクトを設定
これはかなり基礎的なお話ですが、リニューアル時にはリニューアル前のサイトから必ずリダイレクトを確実に設定しましょう。
リダイレクトとは、URLが変わる前のURLから新しいURLに転送する設定のことです。単純に、古いページにアクセスがあったときに新しいページが自動で開く設定のことですね。
このあたりも、意外と設定されていないケースもありますので、注意が必要なこともあります。
このリダイレクトをすべてのページで設定しないと、リニューアル前に持っていたページやサイトの価値が失われる可能性があります。
サイト管理の視点ではリスクは管理するもの
WEBサイトの運営において、あらゆる面で完璧を目指すことは現実的ではありません。
たとえば、「すべてのデバイスサイズで美しくサイトを表示したいので、全デバイスですべてのページの表示確認をする必要がある」という意見があります。
日々情報が増えるWEBサイトの中で、毎回全デバイスで新しいページの表示確認をするための工数だけでも膨大な量になります。
また、古いブラウザでは対応が終了しているコードについても、「リスクをゼロにするのではなく、リスクを管理する」という視点で考えていきましょう。
本日は「サイトリニューアルの際には古いコンテンツは確実に残しましょう」というお話でした。