良いインターネット広告代理店の見分け方

良いリスティング広告会社の選び方

この記事の読了目安時間:5分

 
 

大体の場合において、企業でインターネット広告を導入する場合、先に予算が決まるものです。

 
 

予算の中でリスティング広告運用会社を選定するわけですが、予算が決まっている以上は価格でA社かB社を選ぶ、という話にはなりにくかったりします。

 
 

初期費用に各社違いはあれど、決まった予算の全体像からすると初期費用は微々たるものです。

 
 

価格以外で、どんな要素でリスティング広告運用会社を決めるのが良いか。

 
 

これは決定する広告主様の立場から考えるとなかなか難しい問題ではないかと、毎回考えさせられます。

 
 

そこで、我々インターネット広告運用に携わる企業から見た視点で、「良い広告運用会社と、そうでもない会社の違い」という部分について少しポイントを整理させていただきます。

 
 

これから、インターネット広告代理店を選定するご担当者様の参考になれば幸いです。

 
 

※この記事では、細かなターゲティングやノウハウなどの、専門的な内容は含まず、広告主様から見た視点で捉えやすいポイントをご紹介しております。

 
 

主に、以下のポイントにまとめられます。

 
 

  1. 希望に応じて広告アカウント管理画面を共有してくれる会社、してくれない会社
  2. 専門用語を多用するのではなく、わかりやすい説明になっているか
  3. 定期的に広告の配信方法が改善されているか、いないか
  4. 広告主様のビジネス理解に傾聴できているか
  5. トライアンドエラーが存在するか、しないか
  6. 広告のみではなくインターネットマーケティング全体に知見があるか

 
 

具体的に見ていきましょう。

 
 

希望に応じて広告管理画面を共有してくれる会社、してくれない会社

良い代理店 管理画面を共有してくれる
そうでもない代理店 管理画面を共有してくれない

 
 

管理画面共有に応じてくれる会社の方が信頼性が高いと言えます。

 
 

例えばGoogle広告やyahooプロモーション広告を配信開始したとして、希望に応じてアカウントを広告主様側でもアカウントの共有に応じてくれるかどうか、という点です。

 
 

広告アカウント共有に応じていただける会社の場合は、「開示しても困ることが無い」というのがシンプルなポイントとなります。

 
 

あるいは、広告アカウントの運用上のどんな質問をいただいても、お答えできる体制が整っている代理店であると判断できる材料になります。

 
 

反対に、アカウント開示に応じてもらえない場合、その代理店は良い広告運用ができていない可能性が高いと考えられます。

 
 

「弊社独自の運用ノウハウのためアカウント開示はご容赦ください」というような返答が帰ってくるケースもありますが、見られて困る理由が隠れている場合もあるので、少し注意が必要です。

 
 

トライアンドエラーが存在するか、しないか

良い代理店 トライアンドエラーが適切に存在する
そうでもない代理店 変更を加えず、トライアンドエラーも存在しない

 
 

業界やアカウント特性に応じて、経験のある運用担当者であれば、ある程度「求める結果が出しやすい広告配信手法」というのは想定できるものです。

 
 

しかし、それでもインターネット広告をフルに活用するためには「トライアンドエラー」は必要なものです。

 
 

例えば、地域密着型のビジネスである整骨院で、インターネット広告を配信する際に特定のオーディエンス属性(性別や年齢など)のみの絞り込みで目標数値内の広告経由の新規顧客獲得ができていたとします。

 
 

更に高いパフォーマンスを目指すために、特定の興味関心や購買意向での絞り込みをかけたターゲティングも併用して利用した方が高いパフォーマンスが期待できるという仮説が成り立ったとします。

 
 

その仮説に基づいて、一定期間の配信テストを実施し、仮説の通りパフォーマンスが向上するかどうかを検証します。

 
 

この場合、仮にパフォーマンスが少し下がったとしても、トライアンドエラーが無いよりも、あった方が中長期的なパフォーマンス向上が望めます。

 
 

想定範囲内の配信のみを継続するよりもこのような仮説→実行→検証→再構築を繰り返していくこともインターネット広告では重要なポイントとなるので、トライアンドエラーが適切に存在する代理店か否か、という点も押さえておきましょう。

 
 

専門用語を多用するのではなく、わかりやすい説明になっているか

良い代理店 相手に応じてわかりやすい言葉を選ぶ
そうでもない代理店 専門用語が多い、あるいは分かりづらい

 
 

インターネットマーケティングの業界では、普段の日常生活では聞き慣れない用語も多く登場してきますので、広告主様に専門用語の多い説明というのはあまり適していない場合があります。

 
 

広報ご担当者のかたの持っている知識量にもよりますが、一般的には専門用語をあまり知らないケースの方が多数派です。

 
 

専門用語を噛み砕いて、一般的な言葉に置き換えてのコミュニケーションが取れる代理店の方が円滑に進む可能性が高いので、そのあたりも意識していきましょう。

 
 

広告主の広報担当者は、代理店からの報告を元に社内の経営層の方々への報告が必要となる際に、代理店とのコミュニケーションのとりやすさというのは、施策を継続するという点でも重要なポイントとなっております。

 
 

定期的に広告の配信方法が改善されているか、いないか

良い代理店 毎週アカウントに変更を加える
そうでもない代理店 2週間以上、なんの変更も加えない

 
 

インターネット広告の場合、常にユーザー行動や、競合となる広告アカウントの施策も日々変化し続けます。

 
 

そのため最低でも2週間、広告アカウントになんの変更も加えられていないとすると、その代理店の運用には問題がある可能性が高いと考えられます。

 
 

もちろんアカウントのボリュームも考慮する必要はありありますが、2週間に一度もアカウントに変更を加えない運用というのは、一般的にありません。

 
 

広告主様のビジネス理解に傾聴できているか

良い代理店 ビジネス理解に務める、傾聴する
そうでもない代理店 概要のヒアリングのみ

 
 

広告代理店は多用な業種の広告主様との取引があある場合も多いですが新規でお取引を開始する場合、広告主様のビジネスモデルやメインターゲット、競合状況などについて詳しく知らないことも多々あります。

 
 

そのような状況の中で、広告主様の商材やサービスの独自の価値、訴求軸、新規開拓を狙うターゲットなどのヒアリングが重要な意味を持ちます。

 
 

以前からお付き合いのある代理店であれば別ですが詳細なヒアリングを無しに、広告配信を進める場合も注意が必要です。

 
 

そのような点で代理店側が広告主様のビジネスをよく理解し、効果的な広告配信に役立てることが必須でもあります。

 
 

広告のみではなくインターネットマーケティング全体に知見があるか

良い代理店 インターネットマーケティング全般の知見を有する
そうでもない代理店 知見が限定的

 
 

インターネット広告に特化した代理店であっても、マーケティング全体を俯瞰できるノウハウや知見を持っていることが望まれます。

 
 

そもそも、広告主様は「広告で露出を増やしたい」のではなく「効果的に新規客を獲得したい」や「より多くの人に商品を知ってもらいたい」や「潜在的な見込み客に好意的なイメージを植え付けたい」といった目的であることがほとんどです。

 
 

場合によっては、インターネット広告出稿よりも、もっと費用対効果の高い施策がある可能性もございます。

 
 

この場合に、「まずは広告配信を開始するよりも自社メディアのコンテンツを充実させて、サイトの基礎体力をつけましょう」や「サイトの情報構造を見直し、整理することでユーザーに見つけてもらいやすい状態にする方が先決」といった提案の方が有効である場合もしばしばございます。

 
 

ネット広告だけの提案ではなく複合的なマーケティング視点が広告運用担当者には求められます。

 
 

このように、広告専業で広告分野だけに特化している代理店ではなくマーケティング領域全体を俯瞰し施策を実施できる代理店なのかをい極めることも重要となってまいります。

 
 

ここまで、いくつかのポイントをおまとめさせていただきました。

 
 

実際、「やってみないと見えない部分」もございます。

 
 

このように様々な要素が広告代理店には求められるわけですが、実際に広告配信をスタートしてから一定期間が経過しないと見えてこない部分が多いのも実情です。

 
 

広報ご担当者様としては今回のようなポイントをふまえつつも代理店と良好な関係がつくれている場合は、継続的な成果に向けて環境が整っていると考えられます。

 
 

代理店の運用が「なんとなく違う」と感じる場合は長期間様子を見るよりも、改めて代理店を検討し直すことが有効です。