リスティング広告におけるビュースルーコンバージョン(VCV)の正しい考え方

広告の成果をカウントするコンバージョン。

 
 

インターネット広告を出稿したことのある方なら、おなじみの言葉だと思います。

 
 

関連する成果指標としてビュースルーコンバージョン(VCV)というのもあり、これもまた聞き慣れた言葉なのではないでしょうか。

 
 

しかし、このビュースルーコンバージョンというのは、関係者によって定義が曖昧だったりします。

 
 

この、「成果指標に関しての定義が曖昧」な状態が続くと、適切なパフォーマンス評価にズレが発生し、そのことで正しく評価できないなど、広告主様にとってあまり良い状態では無い可能性もございます。

 
 

そもそも、VCVとは?

 
 

これはカンタンにおさらいですが、「広告を視認したユーザーが、一定期間内に広告以外の経路でコンバージョンを達成した指標」となります。

 
 

「一定期間」というのは広告アカウント管理画面から設定項目として編集できます。

 
 

基本的には1日〜30日というのが目安ですが、業種によりこの期間を適正なものに設定しておきます。

 
 

例えば、水道トラブルの修理施工業者のインターネット広告の場合ですと、ユーザーの利用シーンから早期の解決が潜在ニーズとしてあるので、ビュースルーコンバージョンとしては長くても1週間までが妥当な目安となるでしょう。

 
 

30日前の水道トラブル広告を視認したユーザーが、30日前のことを思い出してコンバージョンする、というケースは非常に稀だと想定できるから、ということですね。

 
 

では、なぜVCVが曖昧な定義になりがちなのか?

 
 

これは、広告配信に関係するそれぞれの立場によって、異なるためです。

 
 

以下、具体例をみていきましょう。

 
 

広告代理店がビュースルーコンバージョンを「コンバージョンの1種」として評価したがる

 
 

実際に筆者も以前にこのような現場に立ち会ったケースがあります。

 
 

まず、広告の成果を大きめに報告したがるような広告代理店が、広告主様のインターネット広告を任されている場合です。

 
 

当然、その代理店は広告の成果を大きく見せたがるあまりに、ビュースルーコンバージョンを「コンバージョンの1種」として評価したがります。

 
 

そのような広告代理店は、あまり広告主様に寄り添った良い代理店ではないかもしれません。

 
 

代理店の内部的に成果を大きく見せるという文化がある場合、ビュースルーコンバージョンのカウント日数を、広告媒体の中で最大限の日数にカウントしている可能性も高くなります。

 
 

単純に、その方がビュースルーコンバージョンの獲得件数が上がりやすいから、ということになります。

 
 

Google広告では、ビュースルーのカウント日数が最大で30日となっていますが、最大日数の設定は媒体によって異なるのが現状です。

 
 

では、ビュースルーコンバージョンのカウント日数の妥当な線は?

 
 

デフォルトでは、ビュースルーコンバージョンのカウント日数は1日を推奨されています。

 
 

例としてGoogle広告では、一般的にインターネット上で広告を視認したユーザーが、後で広告視認が寄与して広告商品を想起して、コンバージョンまで至る日数は1日程度である、という見方が根底にあり、ビュースルーコンバージョンのデフォルト日数が2017年3月に1日間に変更されました。

 
 

少し余談ですが、更に数年前まではGoogle広告(当時AdWords)でも、ビュースルーコンバージョンのカウント日数を自由に設定できていました。

 
 

そのため、過激な例でいきますと、カウント日数を356日などに設定しておいて、異様にビュースルーコンバージョン件数が多く表示される、というアカウントも拝見したことがございました。

 
 

この例でいけば、当たり前ですがビュースルー件数が異様に増えます。

 
 

しかし、1年前に視認された広告がコンバージョンとして扱われるのは適正で無いことは明らかです。

 
 

結局、ビュースルーコンバージョンはコンバージョンの1種なのか?

 
 

コンバージョンカウント日数が1-7日程度であれば、視認された広告がコンバージョンに寄与したとして、コンバージョンの1種として扱われることが妥当と考えられます。

 
 

しかし、ほとんどの業種では1週間以上の期間を設定したビュースルーコンバージョン件数は成果指標としてカウントされるべきではないでしょう。

 
 
長期のビュースルーコンバージョンが指標として使える業種としては、マイホーム購入など、検討期間が非常に長い業種に限られます。
 
 

むしろ、ほとんどの業種では長期間に設定されたビュースルーは、「コンバージョンする属性のユーザーにディスプレイ配信ができていること」を推定する参考指標、と考えることを当社では推奨しております。

 
 

他の代理店様の事例では、「ビュースルー10件につき、1コンバージョンと認定する」とされている企業様もございます。

 
 

広告主様としては「ビュースルーのカウント日数は何日ですか?」と訪ねて把握されておくのがおすすめです。