とにかく安くクリックを獲得するという戦略は正解なのかどうか?ということについて見ていきたいと思います。
たまに、広告の役割は「サイトに訪問させるまでが広告の役割で、そこから先はサイトそのもののパフォーマンスの問題」という考え方やご意見をいただくことがあります。
施策ごとに分断して考えると、たしかにそのような分け方も有効となっております。
しかし、ユーザーの立場で見た場合、広告クリックから最終的なコンバージョン達成はすべてつながった1つのプロセスです。
もし広告の役割がサイトに誘導するまでであれば、極力過度な表現を用いて実態とはかけ離れた広告でクリック率を上げることも有効な施策、といったように目的がズレてしまいますね。
それでは、本日の主題となる「広告のクリック単価は低ければ低いほど良いのか?」について見ていきたいと思います。
広告の配信方法やターゲティングによって、クリック単価は大きく異なります。1クリック1,000円ほど必要な場合もあれば、1クリック10円で獲得できる場合もあります。
極端すぎる例ですが単純な比較でいくと、1クリック1,000円よりも1クリック10であれば、100倍の価値があるのか、といったお話です。
これは、結論から申しますと「NO」です。
そもそも、とにかく安くクリックを獲得すること自体は、実は難しいことではありません。
もし限られた予算内でクリック数を最大限獲得したい!という場合は、あえてターゲティング機能を極力使わずに配信エリアのみを調整する程度にとどめた上で、入札戦略をクリックの最大化に向けて調整します。
そのようにクリック数重視にする戦略では、1クリックあたり10円以下でも獲得を目指せます。
この施策に月間100万円利用したとしたら、10万クリック以上獲得できるということになりますね。
このようなノンターゲティングはインターネット広告手法として活用されることも多々ございますし、広告主様のインターネット広告出稿目的によって、調整させていただくことが可能となります。
しかし、「ダイレクトなコンバージョン獲得」が広告の主目的であれば、まずノンターゲティング広告よりも適切にターゲティングを複数条件かけ合わせた方が獲得単価は低く、目標CPAに収まる傾向にございます。
また、ノンターゲティング広告が、最終的なコンバージョンに貢献しているか?についても配信結果から調査することも可能となりますので、そのような分析のための環境を整えておくことも重要となっております。
その他、ノンターゲティングな広告は「幅広く届けられるメッセージ」であることが重要でもあります。ターゲティングを使用しないのに、特定のユーザーだけに訴求を絞った広告は配信結果が期待できません。
例えば、手芸を学びたい主婦向けの商材を、ノンターゲティングで広告出稿しても期待した効果は得られにくい、といったようなかたちになります。
しかし、ノンターゲティングな広告を入り口にして、マイクロコンバージョンと呼ばれる好意的な行動をとったユーザーのみにセカンドアプローチを仕掛ける、といった手法はコンバージョン獲得にも活かすことが可能となります。
例えば、ランディングページを30秒以上閲覧していたユーザー、申込みボタンをタップしたユーザー、特定のページを訪問したユーザーなど、別途ユーザーリストとして計測しておいて、それらのユーザーに対して違った訴求軸の広告を表示するとったようなかたちになります。
大量の砂の中から、1粒の砂金を探し出すように膨大なノンターゲティングユーザーの中からリストを濾過していくようなイメージですね。
ノンターゲティングを入り口として、確度の高いユーザーの獲得確率を上げていく施策にも活用できるということになります。
本日は「とにかく安くクリック単価を獲得する方法は有効か?」といったお話でした。