広告アカウントの変更回数は多ければ多いほど良い運用か

 
 

広告アカウントでは変更するポイントが多ければ多いほど良い運用か?

 
 

こういったケースの疑問を持たれる場合もあるのではないでしょうか。

 
 

結論からいきますと、変更回数が多ければ多いほど良いというものではありません。

 
 

昨今のネット広告運用の大きなトレンドのひとつとして、うまくいく広告運用の基本は「マイクロマネジメント」ではなく「マクロマネジメント」です。

 
 

ここには多くの広告配信プラットフォームに機械学習の機能が実装され、目的に応じて細かなチューニングを機械が代替してくれる領域が一気に拡大しました。

 
 

数年前ですと、1アカウントに100を超えるキーワードに対して、人間が一つづつ上限クリック単価を環境に合わせて設定していたわけですが、そのような運用をする機会は激減しています。

 
 

ただ、機械学習がうまく回るかたちをつくるのは人間にしかできませんし、運用者の仕事でもあります。

 
 

そのような状況の中で、大きな変更を短いスパンで実施しすぎると、「何が良かったのか」「悪かったのか」ということの検証ができません。

 
 

では、どのようなかたちで広告アカウントに変更を加えるのが良いのか、というような点について本日はお話をしてみたいと思います。

 
 

大規模な変更は月に2回までがおすすめ

 
 

まず広告アカウントに大きな変更を加えるタイミングですが、これは1ヶ月の運用の中でも2回程度までに留めておくのが良いでしょう。

 
 

昨今のインターネット広告の各種媒体では、どのアドテクノロジーについてもアカウントそのものが学習をして、最適化してくれる機能が備わっています。

 
 

機械学習の特徴として、アカウント構造をモニタリングし、直近の大きな変更から学習期間というのが必要になります。

 
 

この学習期間として少なくとも一週間は目安として見ておくことが必要になります。

 
 

そのため、毎週大きな変更を加えてしまうと、うまく学習が働かずに常に学習をし続ける状態になり、良いパフォーマンスの発揮には向かないということがわかります。

 
 

そのため大きな変更を加えてから、学習後のパフォーマンスを一週間程度は見ていく必要があります。

 
 

そのような前提がある中で、1ヶ月の中でも大きな変更を実施できる回数というのが2回程度まで、というようなスパンになります。

 
 

大規模な変更とチューニング

 
 

ここで広告アカウントについて加える変更でも、内容は実際のところ様々で多岐にわたります。

 
 

ここでは、一つ一つの説明は割愛をさせていただきますが、大きく分けると2つの分類に分けることができます。

 
 

それが「大規模な変更」と「チューニング」です。

 
 

適度に大きめの変更を加えつつも、チューニングをしていくということが基本となります。

 
 

また、広告アカウントの最適化が進めば進むほど、「チューニング」が運用の中でも多くなります。

 
 

では大規模の変更とチューニングというのはどのようになものがあるでしょうか。

 
 

大規模な変更として、例えば以下のようなものがあります。

 
 

ここでの大きな変更というのは、変更にかかるコストや変更に必要な工数のことではなく、あくまでも広告アカウントにとって大きな変更となるか、という点です。

 
 

  • ターゲットユーザーのボリュームを大きく変更する
  • アカウント内部の予算を大きく変更する
  • キーワードを大きく入れ替える
  • ランディングページの内容を大きく入れ替える
  • ターゲティング手法自体を大きく入れ替える
  • クリエイティブを全て刷新する
  • 入札戦略の刷新

 
 

チューニングというところで行くと、かなり色々な変更がありますが例えば一例として記載させていただきます。

 
 

  • 入札単価の調整
  • 予算の小規模な調整
  • 目標CPAの調整
  • ランディングページの調整
  • 新しいクリエイティブの投下
  • ターゲット内の拡張・除外
  • オーディエンスの追加や一部の除外
  • ユーザー属性の調整
  • 入札単価の調整
  • 配信時間帯の調整

 
 

広告の目的がどの程度達成できているか、目的にどの程度近づけられているか、といった部分を考慮しながら、必要に応じて大規模な変更を実施します。

 
 

また大規模な変更は実施しつつも適度に毎週毎週チューニングを実施していきます。

 
 

こうすることによってインターネット広告のパフォーマンスというのは最適な状態に常に近づけられることができます。

 
 

当然ながらインターネット上のユーザー行動というのは常に一定ではなく、ユーザーの行動そのものが変化しますし、インターネットの広告枠というのも常に在庫が変化をしますし、ゆるやかに拡大していく性質をもっています。

 
 

そしてほとんどのインターネットの広告がRTB(リアルタイムビディング)というリアルタイム入札の仕組みによって表示非表示が決定します。

 
 

これらの大規模な変数というのが常に変化し続けるということになりますので、中でもインターネット広告の「チューニング」というのも外せないポイントになります。

 
 

本日は広告アカウントに加える変更が多ければ多いほど良い運用ではないといったなお話をさせていただきました。