前提となるデジタルの特性を理解する

 
 

今コロナ禍において、既存のビジネスをインターネットに置き換えられないか?というような議論は非常に沸騰しています。

 
 

実際に、この数ヶ月で「まずはネット強化をやってみた」というご担当者の方も多いような状況ですね。

 
 

その中で、「今やっているものをそのままインターネット化する」というのは最も成果に直結しにくい可能性があります。

 
 

そもそも前提となるインターネットの施策は、「どう届けるか?」が課題の8割を占めているケースが多いといえるでしょう。

 
 

つまり、インターネットのほとんどの課題は「集客」であるということですね。

 
 

反対に言えば、届けるための「戦略」に価値があるかどうかによって、その後の経営リソースが有効に活用できるか、あるいは無駄打ちに終わって何事もなかったようなことになるかを最も左右するといっても過言ではないでしょう。

 
 

その上で、自社にとって必要なネット施策が何なのか?ということを選定して、選定したことに対して継続してやりきることが重要になります。

 
 

本日は、これ以降は「そもそも論」の話になります。

 
 

インターネットの性格としてどういったことがリアルと違って、何をネットに置き換えても良くて、何をリアルで残すのか、というような論点となります。

 
 

ほとんどのインターネット施策には即効性がない

 
 

まずインターネットの施策のほとんどは、即効性がありません。

 
 

正確には、インターネットの下地となる基本的なアクセス数が不十分な会社では、「広告」以外にインターネットに即効性を持たせることはできません。

 
 

まだ比較的ネットに強化できていない企業であればより一層その性質が顕著に現れてきます。

 
 

具体的に見ていきましょう。

 
 

インターネットの施策というのは2020年代現在において、ほとんどがストック型です。

 
 

インターネット上に作ったものが永遠に保存される、ということですね。

 
 

それに対して、リアルの営業活動はフローで、その場でしか効力を発揮できません。

 
 

例えば、得意先の社長との対面で営業活動をして、相手の表情に合わせて瞬時に提案変えて、その場で受注を獲得するといった流れは全てがフローであって、その活動は保存されるものではなく、各企業に固有の提案になりますね。

 
 

例として、ジュエリーの販売であれば、顧客が持っている洋服の種類に応じて、ジュエリー活用の提案を臨機応変に変えてさらに値段の交渉までして、その場で提案のカスタマイズをするといったことは対面だからこそできる技だと言えます。

 
 

このように、トントン拍子に話を進めることができるのが対面営業の強みですね。

 
 

ただこの営業活動は、その顧客のその場のリアルでしか効力を発揮せず、これが資産として残ることはありません。

 
 

ところがデジタルになるとこれが逆転します。

 
 

デジタルの強みは「保存性」です。

 
 

例えばジュエリーの EC サイトを立ち上げるとして、ジュエリーブログのコーディネート記事を毎日投稿して、年間365件の投稿が完了したします。

 
 

そうすると、この365件の投稿は1日後・1ヶ月後・半年後・一年後・3年後もずっと残り続けて、その情報を求める人にほぼ無料でアプローチし続けることができます。

 
 

つまりは365個のインターネット上の入り口を作ることができるようになるわけです。

 
 

このようにインターネットの施策というのは即効性がない代わりに、積み上げて、その数だけ入り口になる可能性が高いという前提があります。

 
 

「ネット=即効性が高い」とイメージしている方も、まだまだ多くいらっしゃいますので、「やりたいこと」の前提として、関係者の方と意見をすり合わせる必要はありますね。

 
 

ただ、ご存知の通りインターネット広告は即効性がある集客方法になります。

 
 

広告はあくまでも、集客チャネルの1つであって、露出し続ける以上は常に費用対効果を一致させる必要があるので、「広告以外」の施策と「つなげる」ことで価値を最大化できます。

 
 

このあたりのお話は、またの機会に記載させていただきます。

 
 

このようにインターネットのアーカイブ性を活用した、「中長期の施策」と広告の「短期施策」を組み合わせることで、顧客を獲得しつつも集客資産を大きくし続けることが、基本的なスタンスとなる場合が多くございます。

 
 

特に、「ネットで見込み客を獲得し、営業につなげる」タイプの企業では有効になってきますね。

 
 

本日は以上です。