ユニバーサルアナリティクスの計測終了に伴い、UA関連の作業も大詰め、という方も多いかもしれません。
googleアナリティクスの旧タイプであるユニバーサルアナリティクスのデータは新しいGA4にデータをインポートすることができません。そのため、あとからデータを見返せるようにしておくことが必須ですね。
Web担当の方なら全ての方がご存じの話題ではありますが、日々メインの事業に向き合っているサイトのオーナーである事業者様は、そもそもユニバーサルアナリティクスとGA4の違いを知らないという方も多い状況ではないでしょうか。
やはり我々マーケティングを担当している者が、改めて説明解説させていただくのが重要なタイミングになってきていると思います。
そもそもGA4の計測をまだできていないというのは非常に危険なパターンだと思いますが、そのような例はさすがに少ないと考えております。
本日はこのタイミングで、以下のような話題で取り上げてみたいと思います。
- ユニバーサルアナリティクスのデータをどのような形式で保存しておくか?
- どれぐらいの期間保存しておくか?
- そして保存する内容はどのようなものが良いのか?
さらっと読めるような内容でお話をしたいと思います。
どんな形式で保存するか
そもそも、ユニバーサルアナリティクスのデータ保存方法はいろんな選択肢があります。
スプレッドシートやエクセルなどへのデータをエクスポートする方法、APIを活用する方法、スプレッドシートでアドオンを使用する方法、BigQueryを使用する方法もあります。この記事ではサイトデータを手軽にデータポータルで保存するのをおすすめさせていただきます。
まず、ユニバーサルアナリティクスで、それぞれの管理画面に入って、一つずつレポートのデータをCSVやスプレッドシートで保存するというのはあまり現実的ではありません。
なぜなら管理しているサイトが多ければ多いほど、それだけの工数がかかる上に、加工可能なデータとして保存をしておくと、後から都度レポートを整えるなどの時間が膨大にかかってしまうことが予想されるためです。
さらに、UAのレポートを頻繁に見ることは無い想定でいくと後から関係者の誰が見てもわかりやすい形式、であることが望まれます。
上記を満たす手軽な書式はやはり、基本的にデータポータルの1択になります。
弊社でもUAデータはほとんどデータポータルで完結しているものがほとんどです。
レポート項目をどうするか
当たり前ですが事業者様のサイトのジャンルによって重要な指標が大きく異なります。
しかし、サイト毎の指標は違えども、基本的な指標はすべて共通でレポートそのものをテンプレート化することが必須になります。
共通のテンプレートを作成した後で、サイトごとに異なる固有の取得をしておきたいデータが何なのか?というのを決めます。
つまりは、シンプルに以下の順序で問題ないでしょう。
1.全サイトに共通するレポートテンプレートを作成する
2.共通レポートを必要に応じて顧客ごとにカスタマイズする
ポイントとしてこのテンプレートとなるレポートは、基本的に今後ユニバーサルアナリティクスのデータにアクセスができなくなるという前提を踏まえて、工数(時間)の許す限り詳細なものにしておきましょう。
場合によっては数十ページとなることも珍しくはありません。
もちろん、コンバージョンのデータなどもテンプレートのレポートで可能な限り表示しておき、サイト毎に必要となるデータを後から極力手作業で追加する必要がないようにしておくのもポイントです。
作業はデータポータルで、データソースをサイト毎に入れ替える
レポートのテンプレートさえ用意までさえれば、あとはユニバーサルアナリティクスのデータソースを顧客毎に入れ替えて、そのクライアントやサイトの数ごとにユニバーサルアナリティクスのデータポータルレポートを作成します。
例えば、管理しているサイトが数十件あったとすると、すべてのUAレポートを作成し終わるのに、1日では完了しません。
余裕を持って着手しましょう。
どれくらいの期間のレポートを作成するか
弊社では、1サイトにつき2013年から2023年6月の11年弱期間のデータをすべてデータポータルの形式で残しております。
さらに、その上で1年単位で共通のレポートを作成するのがおすすめです。
年度単位で大まかに振り返りができるのと、期間1年の中で月毎にディメンション(データの幅や種類)を作成するレポートなども織り交ぜて見やすいものにしておきます。
例えばAサイトのデータポータルで、2022年、2021年、2020年などと年度単位で先ほどのテンプレートとなるレポート作成しておき、2013年まで遡ってレポートを作成します。
当然、まだサイトを運用して数年というお客様もあれば、すでに10年以上経過しているというお客様もありますのでそのあたりはサイトやアプリの運営期間にもよりますね。
データポータルで作成したレポートは、PDFで保存しておくことも忘れずにしておくのもポイントです。UAのデータソースが後から見れなくなることに備えて、保存可能な形式にしておきます。
なぜ2013年からのデータを保存するか
そもそもその保存期間がなぜ10年分なのかというところを見ていきましょう。
この記事を書いているのが2023年ですが2013年と今とではご存知の通り、Webのトレンドが全くといっていいほど様変わりしました。
GAの計測手法やランキングアルゴリズム、参照元のメディアやSNSの台頭など、そもそもの働き方改革の影響や一般的な価値観も10年前とは大きく異なるのは周知の通りです。
仮に2013年以前のデータを保持できたとして、「今後の施策の手掛かりになる」ことは少ないように考えられます。
例えば、モバイルのトラフィックがパソコンのトラフィックを超えたとGoogleが発表したのは2015年でした。
2013年時点ではまだ多くのサイトがPC版のブラウザからのアクセスが多かったような状況になります。
ここまでユニバーサルアナリティクスデータの保存方法、期間などをご紹介させていただきました。
このタイミングで10年以上前のアナリティクスデータを閲覧する機会も多く、同じサイトでも10年前とは比較にならないほど成長していたり、ユーザー行動が違っていることなど、新しい発見も多くたのしい側面もあります。
筆者もこの記事を執筆しているタイミングでは数百枚のユニバーサルアナリティクスレポートを作成いたしました。
それで見ていくと今は年間1,500万PVのサイトも、10年前はその1/10程度だったり、それ以下の場合もあります。勇気づけられますね。
例えば、WEBが一般家庭に普及した1995年から続くコンシューマー向けのサイトデータを地続きで2023年まで分析して、トラフィックの変化を感じられるサイトがあったとしたら、アクセス解析においてそんなにおもしろいことは無いのかもしれません。
そこまでいくと、もはや趣味のレベルと言っても過言ではありません。
まだこれからユニバーサルアナリティクスのデータを整理してレポートにしないといけない、その作業量が膨大であるという場合や、まだ数値が取れていないという場合も、お気軽にご相談いただければ、現状のアカウントに即してデータの整理までをサポートさせていただくことも可能です。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。